劇場公開日 2005年7月9日

「アドルフ・ヒトラーはユダヤ人だった!という仮説は大好きなのですが、それを想像させるシーンもあった・・・」ヒトラー 最期の12日間 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0アドルフ・ヒトラーはユダヤ人だった!という仮説は大好きなのですが、それを想像させるシーンもあった・・・

2018年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 それはエヴァとの質素な結婚式。「汝はアーリア人か?」と訊かれた瞬間のやりとりで、絶妙の間にゾクゾクしてしまった。実際にはその点を突くようなストーリーではありません。今まで観てきた映画、書籍、漫画の知識を総動員して注視したため、ヒトラーの断末魔に似た狂気と、壮絶な自殺、そしてユダヤ人説を思い起してしまったためです。初めてヒトラーが登場する映画を観たのは、小学生のころ。映画のタイトルは忘れてしまったのですが、レジスタンス側から描いた内容だったと記憶しています。それ以降、ヒトラーが登場する映画は色々と観てきましたが、全て連合国側から描いたものだったので、この映画は衝撃的でした。

 とにかく全編ドイツ語であることが新鮮だった(当たり前か)。ユダヤ人大量虐殺や戦争犯罪についても全く触れないことは賛否両論になるのかもしれないけど、秘書ユンゲからの視点で描いたものであり、ばっさりと切り捨てたことは、史実を周知のこととしているためでしょう。降伏という進言を全く受け入れずに毅然とした態度を取る人間ヒトラーを英雄視する人も若干生まれると考えられるけど、「国民を生かすことに意味はない」と断言するシーンもあることから、ナチ賛美や共感を与える目的で作られたのではないハズです。

 医者が手足を切断する映像といい、生々しい自決のシーンといい、反戦を訴える映画には間違いないのですが、一瞬ではあるけど、「まるで被害者のように」と感じてしまった自分を反省いたします。こう感じてしまったら『火垂るの墓』を「まるで戦争被害者!」と言って非難することと変わりないですよね。淡々とした流れで、人間ヒトラーと周囲の将校、官僚が中心となってしまったことには問題あるかもしれないけれど、ラストのユンゲ自身の独白によりモヤモヤした疑問は一掃されました。とにかく、昔は天使だったガンツのヒトラーをはじめ、狂気としか思えないゲッベルス夫人の演技によって、崩壊する帝国と人間性が重くのしかかり、現代社会への警鐘をも感じました。しっかりと目を見開いて為政者の行動を注意しなければ!と、今朝の新聞はテレビ欄しか見ていない者が言うべき台詞ではないな・・・

kossy
When I am 75♥️さんのコメント
2023年11月13日

すみません。僕も大河ドラマはTV無いので見てません。家康が最下層出身ってカムイ伝では解釈しています。
お騒がせしました。
映画見てるとこれまでの人生何でTVなんか見ていたのだろうと思ってしまいます。
僕の場合、残り少ない人生他にもやりたい事あったので、来年の4月まで、無職になって好きな事してます。と言うよりも、年齢を理由にファイヤ~しました。特殊な仕事なんですが、15か所受けて全部落ちました。年齢よりも嫌われる所があるのか?なんて、自信をなくしています。定期採用がまた4月にあるので、それまで、放蕩三昧をやってやろうと、毎日映画三昧です。いつもお仕事ご苦労様です。前職が貨物関係でしたので、大変なお仕事をされている事は理解しているつもりです。長々とすみません。一万本のレビューを楽しみにしてます。もう、僕には出来ません。では。

When I am 75♥️
When I am 75♥️さんのコメント
2023年11月8日

白土三平先生の『カムイ伝』では、今年の大河ドラマの主人公がとんでもない解釈をされます。下剋上の世界ですから、戦国武将なんて、眉唾で海千山千だと思います。それを旧国営放送が♥
ネタ付きないのか!と心配になります。

When I am 75♥️