「周りのサポート」Dear フランキー ku-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
周りのサポート
スコットランドのグラスゴーの近くの港町グリーノック( Greenock)。ここに夫の暴力を逃れてきて、男性恐怖症気味のリジー(Emily Mortimer)と耳が聞こえなく話せない9歳半の息子フランキー(Jack McElhone)とリジーのサポートをする母親。リジーは1日フランキーにお父さんの役割のできる見知らぬ男,ストレンジャー(Gerard Butler) を探す。
フランキーはラッキーで、彼は周りのものにサポートされているのがよくわかる。リジーの友達、マリー、図書館の司書、新しい 友達リッキーモンローなど。それに、海の見える美しい景色、魚、なども彼の生活の一部で、これによってもサポートされている。
この映画にはたくさん好きなシーンがあり、滑稽なシーンもあり、大笑いしたり、涙を流したりで大忙しだった。リッキーモンローはフランキーをからかってDef boyと書くが、フランキーが訂正したり、頭のいいところを見せるから、フランキーに頭が上がらないようだ。(滑稽なシーン)
図書館の司書は大声で、はっきり発音して” I am so sorry I did not know you are { 声に出していない}deaf.” と言って、彼のためになら、ない本は取り寄せるよと寛大な態度を見せる。(実は滑稽なシーン)
リジーは『1日お父さん』を 朴訥なストレンジャーにお願いしたが、そのほか何を話したらいいかわからない様子が目に見えていて、つじつまの合わないことを言ってしまう。こういうことは現実によくあることだが、ストレンジャーは『何年も航海している手紙を書いているんだから世界のことは知ってるでしょう。』と。(これも滑稽なシーンだ)
喫茶店で初めてあった時、ストレンジャーはお金をもらうことには興味がなさそうで、フランキーの小さい頃の写真を見て、それからリジーの顔と見比べて、『何時にどこへ行ったらいいの』と聞く。この父親役のストレンジャーの目の動きが大好きだ。
多分一番好きなシーンは家でリジーが子供の頃好きだった歌(シンデレラストーリーのような歌詞)を母親とマリーの前で歌っている時、フランキーは隣の部屋で聞いているんだが(補聴器をしてないから聞こえない)でも、ガラスに手を当てて、その音のバイブレーションを目をつぶって感じている。
リジーがフランキーの障害は父親からのプレゼント(この意味は息子にDVを働いたため)だと言った時、ストレンジャーの怒りを抑えているシーンがいいね。だれにとっても圧巻だと思うのは最後のキスシーンだと思う。これは20数回も取り直しがあったと聞いた。(やっと監督の思ったように収まったシーンらしい)
フランキーがストレンジャーに『戻ってきたの』と声に出して言うシーンがあるが、ここで、ストレンジャーがお父さんになることで、声を取りもですことができるような気がした。