「親友のフランキーより。」Dear フランキー shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
親友のフランキーより。
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映画「Dearフランキー」(ショーナ・オーバック監督)から。
名作と言われるイタリア映画『ライフ・イズ・ビューティフル』を
彷彿とさせる内容に、胸が締め付けられた。
ただ違うところは、子どもの年齢にもよるだろうが、
親が最後まで、子どもを騙し続けるか、告白するか、の違いだろう。
どちらが正しい、どちらが間違っているということではないが、
子どもに対する、父親・母親の接し方の違いみたいなものを感じた。
「パパ、知ってた? また、引っ越しだ」の手紙で始まり、
「また会えるよね、次に寄港した時に。親友のフランキーより。」で
エンディングを迎える手紙は、もしかしたら、小さいながらに、
暴力的な父親から自分を護ってくれている母親に対して、
彼女を傷つけないようにしていた彼の「思いやり」だったかも・・と、
勝手に想像を膨らませたら、よけいに胸が熱くなった。
難聴の子どもから届く手紙の文が「唯一聞ける『声』よ」と悲しむ母、
それに比べ、理想の父親役を演じてくれた男に対し、
(自分の声で)「戻ってくる?」と訊ねたシーンがとても印象的だった。
ラストシーン、母子が桟橋に腰を下ろして海を眺めている光景は、
桟橋が台形に映し出されたためか「富士山の形」をしていた。
そこに、ふたりのシルエットが・・、音楽と絶妙にあって美しい。
印象に残るシーンや音楽、台詞があると、忘れられない映画になるな。
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