「ゴールテープの切り方よ…(悦)」ダニー・ザ・ドッグ ゼリグさんの映画レビュー(感想・評価)
ゴールテープの切り方よ…(悦)
最初はジェット・リー兄貴の超絶カンフーを堪能するだけのアクション映画だと思ったんです。
期待通りしょっぱなからトばしてくるリー兄貴(主に敵を)。
しかしフリーマン師匠が登場してからはヒューマンドラマに早変わり。
自閉症(的な感じ)の青年ダニーと、盲目のピアニストとの心温まる交流が描かれていきます。
この「ジャンルにとらわれない」感じ、大好きです。
で、なんやかんやあって後半は怒涛のアクションの連続。
さすが指導ユエン・ウーピン。キレがハンパないです。
ここまでは、アクション面白かったなぁーって言うぐらいの感想だったんです。
でも最後の最後、終わる直前にやってくれましたよ…
ダニーが一粒の涙を流したんです。
だから何だよアホと思われる方もいるでしょうが、ここで涙を流すのと流さないのとでは意味が全然違います。
あえてあらすじは省きましたが、ダニーはただ主人の言うことを聞いて人を痛めつけるだけの「無感情」な犬だったわけです。
なのでこのラストは、無感情だった「犬」が、すべての感情を表すことのできる本当の「人間」に生まれ変わった、という表現なんじゃないでしょうか。自分の考えすぎですかね…。
もしそうだったら、この「テーマとして筋の通った演出」は素晴らしいんじゃないでしょうか。セリフで説明することはあっても、演出でそれを伝える、もしくは観客にそう捉えさせるような映画って、ありそうでなかなかないと思います。
やっぱり映画の始まり方と終わり方って重要だなって改めて感じました。
ちょっとテンポ良すぎるようなとこもあるので、もう少しゆっくりでもよかったと思います。
特にあの二丁拳銃野郎はボッコボコにしてほしかったなぁー…
それで10分伸びても全然問題ないです。(笑)
カンフー映画だと思わず、一度は観とくべき映画だと思います
でもなんであんまり人気ないんだろ…超がつくぐらいの名作だと思うんだけどなぁー…