「うーん(シュタゲのネタバレも含む)」バタフライ・エフェクト スタプリを評価するために作ったアカウントさんの映画レビュー(感想・評価)
うーん(シュタゲのネタバレも含む)
前半がひたすらインモラルで不良的で主人公への期待や関心が失せた。
それを抜きにしてもシュタゲやBTTFといったタイムリープものの傑作を先に見てしまうと描かれる映画の主軸たる過去改変は過去のほんの一部のシーンでちょっと動くだけで、元の時間軸に帰ってきてどう変わったか確かめるという見応えのないものだった。タイトルのバタフライエフェクトの通りだが、見る前はどうなるか分からないものが見れると(シュタゲのまゆしぃがどうしても死ぬシーンのように)ワクワクしていたが、見てみるとBTTFのようによりハッピーな方向に変わるか、冒険のように変わりようを見せてくれる変わり方でもなくシュタゲの残酷だが甘く切ない気持ちのいい絶望感に比べてひたすら痛々しい悲壮感があるためか過去から今まで飛びすぎてて因果関係にここをこうしたからといって本当にこうならなければならなかったのか、もっと幸せになろうと登場人物たちが努力すればよかったのではないだろうかと、登場人物への失望に繋がってしまった。
途中の過去改変もベストな手段ではなく、ロリコン父を責めた後ダイナマイトで脅す同じ過去への複数回リープができるのならば、ロープを切るように指示したり、ヒロインの兄の代わりを森に引き止めて自分が母親と赤ちゃんを飛び込んで庇ったりすればよかった。
そして最後の過去改変で、最初からヒロインと出会わないという選択をするが、今更感。今まで見てきた作品達の中で良くある展開だしその可能性は考えてた。自力やみんなでなんとかする展開を期待してたから残念。ひたすら主人公が辛い目に合って、過去改変中毒気味になっていって、それで最後は好きな人を諦める。うーん、ほんと辛いだけの映画。
最終的に自分の過去に関するものを処分するのも非常にあっさりしていて、好きな人諦めたら主人公の思い通りにうまくいって満足してやめようなんて虫が良すぎるというか。(後で思った、過去の記録を見たら自分の意思じゃなくとも過去に飛んでしまって面倒だから辞めたのか?だったら良いか)あれだけ何やってもうまくいかないように主人公をいじめ抜くのに一貫していたのに急に主人公に甘くて戸惑った。だから衝撃のラストとかパッケージに書いてたから最後うまくいったと見せかけておじゃんになるのかと思ったけど偶然ヒロインとすれ違っただけ。なら主人公に過去改変の能力を捨てさせたのは何故なのか。風呂敷を畳んで、普通の人に戻して物語を終わらせるためだろうけど。この後実はうまくいってなかったと思い知らされる事があるかもしれないと主人公は考えなかったのだろうか。シュタゲシュタゲ言い過ぎだけど、紅莉栖かまゆしぃどっちかが死ぬ所で選択が迫られてたり、紅莉栖を救うのも自分の身をかけて頭も使ってやり遂げたって、記憶を共有してなくとも協力してくれる仲間も居てって、改めて素晴らしいストーリーだったんだなと。
ノートを見て欠けていた記憶の中で過去を変えられるという設定は気に入った。ノートで、文字が浮き出てくる演出や、ノートという破れたり燃えたり失くしたりするものだからこそ変えたくても変えられなくなる可能性があるというハラハラ感のあるところ(実際に日記が手元になくて困る展開もあった)、自分の日記という固有性のあるもの、父はアルバムで自分は日記という丁度いい類似性とアレンジ具合、欠けていた記憶の中でというところが特に。だが、そのお気に入りさえも最後にホームビデオからでも過去の記憶にまつわるからか過去を変えられる話になって勝手にがっかりした。
DVDレンタルで見たからアナザーエンディングも見たけど、あんな物語の繋がりに関係なくラストを変えるだけのものあった所で仕方ない。それにハッピーエンドとされたものは主人公はヒロインとよりを戻す(その時間軸ではよりもなかったが)ことになるのだろうけど、主人公の過去改変の能力は父からの遺伝によるものだろう?ならば子ども作ったらその子どももまた過去変えなんて自分でその能力を使えないように過去の記憶に関するものを処分したぐらいだし厄介だとか思ったはずの能力を手にすることになるが。子どもを作らないのか?それでヒロインはどう思うだろうか?本当に最後にヒロインとまた付き合う方向に行くのがハッピーエンドなのか?
辛い話が好きな人にはいいでしょう。自分はエンタメが好きなので合わなかった。