「色々な見方ができる…」バタフライ・エフェクト kuさんの映画レビュー(感想・評価)
色々な見方ができる…
いきなりネタバレです。
主人公は幼い頃に記憶が飛ぶことが度々あり、大人になってからその記憶を取り戻そうとします。そして、取り戻そうとしたときに起こったことが原因で、彼は過去を書き換えようとする。飛んでいた記憶は、大人になってから書き換える時の目印?のようなものになっているんですよね。それで、何度も書き換えていくうちに、最終的にケイリーと関わらないという選択肢を選ぶことで、皆が普通に生きられるようになりました。
この映画には別のエンディングがあるそうで、ディレクターズカット版では主人公は産まれてこないようにするという選択肢を選ぶ。なるほど、最後の精神病院での「僕は死んでいるだろう」はここにつながるのか。と思いました。ですが、個人的には、このセリフと公開版エンディングが組み合わさったことによって、また新たな見方ができる気がします。とても強引ですが、主人公はもう過去を書き換えることに脳や身体が耐えられないと思い、「死んでいるだろう」と書いた。そして主人公は死に、最後のケイリーとすれ違うのも彼の頭の中でのこと。そして、精神科医が言っていたように、すべては彼の頭の中で起こっていたことだった。私はこういう見方が結構好きです。というのも、精神科医が「ありもしない大学生活〜」などと発言し始めた時に妙に腑に落ちたんですよね…。記憶を書き換える能力があるという見方よりも親近感があるのは当たり前なので、邪道な見方かも知れませんが…。
とまあ、人によって色々な見方ができるのかもな。と思って、そういう意味では面白い映画だったと思います。
ただ、一度見ただけですが、どうも最後の切なさが強引だった気がします。過去を書き換えすぎて疲れ果てていたし、もうこの道しかないと思ったのはわかりますが、ちょっと「どうですか?切ないでしょ?」と言われている感じがして、あまり感動できませんでした。主人公がいい奴すぎるというか。まだ主人公はケイリーと自分の為にできたことあったんじゃないか。なんて頑張ってほしくなってしまいました。