「初めて「おじさん」と呼ばれたのはいつですか?」甘い人生 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
初めて「おじさん」と呼ばれたのはいつですか?
ちょっと気になる若い女性に「おじさん」と呼ばれたら諦めもつくだろうに、カタをつけられると思い涙で懇願されると、男は弱いものである。ビョンホンもはっきりと愛していると感情表現を前面に出さないところもいいですね。ただ、裏社会で起こるストーリーがスタイリッシュに淡々と進むので、リンチの理由・動機が弱く、「他に理由があるんだろ?」という台詞で納得するまでは悶々としてしまいました。しかも警察が出てこないので、緊張感も足りなかった。
吸殻を投げ捨てられ、突如キレたりするビョンホン。回し蹴りなど足技が得意なビョンホン。なんといっても女に不自由しているビョンホンが今までのイメージと違っていて新鮮だった。キラースマイルがいつ出てくるのかと期待してもラストまで出てこないし、この映画によって男性ファンも獲得しそうな勢いです。
残酷な描写などの映像・演出はタランティーノの影響を受けているとも思ったが、台詞の少なさからすると明かにアラン・ドロンに代表されるフィルム・ノワールの世界を意識しているのです。アラン・ドロンを思い出してからは、ビョンホンの顔に彼の顔を重ねて観てしまいましたが、やはり甘い・・・甘い顔は隠し通せるものではない。ストーリーの強引な展開や色々な要素を盛り込みと思えたので若干評価は下がるものの、この路線を続けてくれれば次回作も期待できるでしょう。
冒頭の師弟問答の意味は、ビョンホンが女を好きになったという解釈でよろしい?
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