「カンヌを征した3人」愛の神、エロス kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
カンヌを征した3人
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抱き合わせ販売反対!と叫びたくなるほどウォン・カーウァイ監督の作品が光っていました。
テーマはエロス。重く切ない純愛から始まり、コメディとも思えるエピソードを挟み、美しい風景中心の映画で終わる。別の見方をすれば、SM、覗き、不倫といったテーマでもあるかと思う。こうしたオムニバス映画は一貫したテーマであるにもかかわらず、出来・不出来がはっきりとしてしまいます。最も良かったのはウォン・カーウァイ監督の「エロスの純愛~若き仕立て屋の恋(HAND)」でした。『2046』ではつい酷評してしまったウォン・カーウァイ監督ですけど、このくらいの長さの映画だと素晴らしく思えてしまいます。
60年代の香港。複数のパトロンに囲われ、優雅な暮らしをする高級娼婦ホア(コン・リー)。若き仕立て屋チャン(チャン・チェン)は彼女にギリギリのセクシャル・タッチによる手ほどきを受け腕を上げていくのであるが、いつも壁越しの喘ぎ声を聞かされ女王と家来のような関係を続ける。決してセックスには至らない生殺し的な愛。純愛というにはあまりにも切ないチャンの恋心と、女王の地位から没落してしまう悲しき女の性とが結ばれるはずが、肺病のため・・・。計算されつくしたかのようなカメラアングルとチャンの心の描写。映像、ストーリーともにシンプルな構図の中に、これほどまでに圧倒する熱き想いを感じさせる監督・役者の力量に打ちのめされました。しかも、脱いでないのですよ!(期待してたけど・・・)
ソダーバーグとアントニオーニの作品は、すでに印象に残っていません・・・
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