「モニエくんのの歌声を聴くだけも涙が溢れそうになり、感動にうち震えます。」コーラス 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
モニエくんのの歌声を聴くだけも涙が溢れそうになり、感動にうち震えます。
2004年3月にフランス国内で公開されると同時に、その普遍的なテーマ性とひたむきな子供たちの姿に圧倒的な支持が集まり、瞬く間に「アメリ」の記録を抜きフランス映画史上空前のヒットを記録。公開15週で750万人を動員、フランス人の7人に一人が観たというほど多くの人に愛され、感動を巻き起こした作品としてヨーロッパ中で異例の一大現象を巻き起こした映画「コーラス」がいよいよ今週いっぱいとなりました。
写真
作品は、1949年フランスの片田舎の澄み切った木立の奥に「池の底」という貧しい親元を離れて寄宿学校で暮らす子供たちの学校があったのです。そこに寄宿している子供たちは、親に会うことすら隔離された、名うての悪ガキたちでした。
そんな学校にある日、フランスの国民的俳優ジェラール・ジュニョ演じる、落ちぶれた音楽家のマチューが音楽教師としてここに赴任してきます。この学校の悪ガキぶりは、担任教師すら悪戯で大けがを負わせる酷さであったのです。そのため怪我を負った担任の代用教員としてマチューは赴任したのでした。
こんな書き出しだと、なんだか「金八先生」を連想する人もいるかもしれません。
しかし、いたずらや反抗することでしか、親のない寂しさや、両親にあえない寂しさを紛らわすすべを知らない子供達のこころを痛く掴んでいたマチューは、子供たちにコーラスを通じて、歌うことの歓びを根気強く教えていくのです。
中でもひときわ物静かな顔をしながらも心は冷たい悪魔のような子だと同僚の教師から忠告されていたピエールは天賦の才能を発揮して、素晴らしいボーイソプラノを奏でるまでに至ります。ピエールは、卒業後もチャンスを掴み、世界的な指揮者と羽ばたいていきます。
ピエール役を務めた13歳のジャン=バティスト・モニエは、実際にサンマルク合唱団のソリストなんです。その憂いを秘めた歌声と本物の天使を思わせるルックスでフランス中を魅了して行ったのであります。
もうねぇ、このモニエくんのの歌声を聴くだけも涙が溢れそうになり、感動にうち震えます。間違いないですぞ!
そして、歌っているときの彼の瞳は澄み切っていて心が洗われるようにさえ思えますぞぉぉぉ!
凶暴性がある手がつけられない少年たちのこころの変化の描き方が中途半端だったりするのですが、そんな野暮な演技云々よりもサン・マルク合唱団とソリストのジャン=バティスト・モニエの素晴しい歌声が雄弁にストーリーを物語ってくれますよ。