復讐者に憐れみをのレビュー・感想・評価
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リュの境遇に同情せずにはいられない。
印象に残るシーンがとても多かった。
特にリュが恋人のヨンミと会うエレベーターの中でのシーン。名場面ではないでしょうか‼︎
重い内容ですが、これぞ韓国映画が表現できる作品だと思います。
これが「恨の文化」というものなのか
〈映画のことば〉
復讐が復讐を呼び、更なる孤独を呼び込む。
私はこの映画で学んだ。
深すぎる愛は、返り血を浴びるのだ。
古田博司さんという方は歴史学者て、とくに韓民族の(政治)思想史に詳しい方のようですけれども。
同氏によれば、韓国は「恨」の文化の国柄で、朝鮮文化における恨は「伝統規範からみて責任を他者に押し付けられない状況のもとで、階層型秩序で下位に置かれた不満の累積とその解消願望」と定義づけられているようです。
冒頭の「映画のことば」は、厳密には映画のことば(作品の脚本の中に現れるセリフ)ではなく、本作に寄せた阪本順治監督の作品紹介の言い回しになります。
しかし、本作のテーマを言い得て妙なので、映画のことばとして拾うこととしたものでした。
そのようなイメージどおりに、緑を基調とした全体の色使いの画面が独特だったと思…続きを読む
「恨」の表出としての復讐
パク・チャヌク映画の脚本力の高さには毎回驚かされる。登場人物たちの足場を少しずつ少しずつ切り崩していくような着実な追い詰め方。それゆえ登場人物たちの行動や言動には、そうせざるを得なかった、という苦渋と後悔と諦念に満ちた必然性がある。数多ある選択肢の中からたまたま一つをチョイスした、という感じがまったくしない。そういう意味では『ブラッド・シンプル』『ファーゴ』あたりのコーエン兄弟作品に近いかもしれない。振り返ったときにはもう戻れなくなっている。登場人物たちの緊張関係とその顛末は、もはや滑稽にすら思えるほど勘違いとすれ違いの連続で、それはあたかも現代社会のグロテスクな戯画であるかのようだ。
一直線に地獄へと続くこの連鎖から逃れる唯一の術は、各々が抱く復讐心をかなぐり捨てることだったが、それができれば苦労はしない。韓国はその被支配的な歴史経緯から「恨」の文化というものが強く根付いて…続きを読む
予想を裏切られヒューマン要素にずっしりドーーンとくる映画
誰が悪いのか分からない
誰もが悪い気もする
パク・チャヌク監督の復讐三部作の第一弾
バイオレンスさが際立つだろうと思って見たが予想を裏切られヒューマン要素にずっしりドーーンとくる映画でした。
聴覚障害の共有
聴覚障害の青年が、
愛する姉を救うために起こした行動が、
悲劇の始まりだった。
台詞が異常に少なく、
BGMもほとんど無いので、
見る人によっては難しい作品。
台詞が少ないのは、
「聴覚障害」という世界観を少しでも分かってもらう為かな。
復讐を重ねる両者は、殺人に関しては素人だが、
元々の得意分野を生かすところは説得力あり。
あちらの映画なので、バイオレンスは山盛り。
出血も大サービス。
『オールドボーイ』の衝撃がかすんでしまうほど重い。そして、帰りのエレベーターの中では思わずわき腹を押さえてしまった・・・
普段なら、DVDがまもなく発売されるので観ないところだったけど、ペ・ドゥナをスクリーンいっぱいに感じたいため観てまいりました。彼女はひとりっきりの革命家。こういう風変わりな役がピタリとはまるのです。しかも彼女のヌードもあるので、見逃すわけにはいきませんよね。しかしまぁ、いきなり臓器売買で腎臓を取られちゃいますので、最初から痛い、重い、悲しいと三拍子揃った凄まじい映画でした。
主人公リュウ(シン・ハギュン)は聴覚障害者。腎臓病を患う姉のために移植手術を嘱望するものの自分の腎臓では血液型が合わない。落ちこんでいた彼に追い打ちをかけるように溶接工場から解雇され、闇組織に自分の腎臓を売り金も騙し取られてしまう。皮肉なことに、直後にドナーが見つかり、姉の手術日が決まったのだ。しかし、騙し取られて金はない。そこでヨンミ(ペ・ドゥナ)の助言により金持ちの娘を誘拐することに・・・
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ドゥナドゥナ
復讐の連鎖をテーマにした作品。日本映画にはない暴力。映像の美しさはあまりないが、ストーリーは面白く一気に観れました。いい感じに痛々しくて、場面場面胃がキリキリするような緊張感が良かったです。
そして一番の見所は恋人役のドゥナちゃんの可愛さ。男子学生の憧れのようなさっぱりとしたボーイッシュな女性を演じて、本気で惚れてしまいました。
このドゥナちゃんを知れただけで見て良かった映画でした。リンダリンダリンダにも出ているとのことなので、今度見てみます。
素晴らしい
復讐の虚しさ、暴力性が描かれた素晴らしい作品。エンタメ性はないが、猟奇サスペンスやクリミナルサスペンスからエンタメ性をとって突き詰めるとこういう、絵になるのかと思った。映像作品として一見の価値あり。
復讐は哀しい
聴覚障害のリュは腎臓が悪い姉のために臓器提供を考えてるが、大事な退職金を臓器売買のヤミ組織に騙しとられてしまう。リュの恋人のヨンミが金持ちの子供を誘拐することを提案、しかしそれを知った姉は自殺してしまい、偶発的に子供も川で溺れてしまう。
すべて歯車が狂って回り始めた。リュはヤミ組織に復讐し、会社社長のパク•ドンジンはリュとヨンミに復讐、そして最後はヤミ組織に殺されてしまう。
真面目に生きてきた人間ばかりなのに、悲劇が重なり不毛な復讐の連鎖はあまりにも哀しく痛い。
残忍な描写が多くここまで描くかと思った。
監督は復讐とは痛快なものではなく、ただただ苦しく辛く悲しいものだといいたかったのか。
復讐者の二人の演技は素晴らしい。
後半の川の中でのドンジンとリュのやりとりの場面はこころに残った。
誰にも等しく生きる権利がある。
不当解雇された男、ろうあの女、ろうあを偽りろうあ学校に通い手話を覚えた男。
日の光が当たる世界ではそんな人たちは半端者になるだろう。「大韓民国憲法第一条にまある人は等しく生きる権利がある」を実践している。
全編真っ暗なトーンで進み最後は疾走します。あっという間の出来事になります。
楽しい、面白いなんていう映画ではありません。
人が人である意味をとても考えさせられます。
復讐って虚しいよね。
2005年の映画だけれど、最近DVDで観た。なんだか凄惨な描写が多くてストーリーも救いの無い話で観ていて虚しくなる。画は面白いカットがあり、そういったところはこの監督のセンスは好きだけれど、スローな場面展開も多用すると鼻につく。あまりセリフで説明しなくて表情や動きで観客に解からせる手法で撮っているが、観るすべての人がついていけるものなのか。
大事なものをなくした人間が奪ったものへ復讐をする、それだけの話しで二人の演技は観るものを圧倒して画面に釘付けになるが、あちらの映画は刃物を使った生々しいアクション・シーンがどうも気持ち悪い。
特殊撮影をしているがリアルで怖いシーンが何度かある。
復讐三部作となっているが、監督が云っているのかマスコミが付けたのかどっちなんだろう。
二つ目の「オールド・ボーイ」三番目の「親切なクムジャさん」も観たけれど、それぞれ復讐という意味では通…続きを読む
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