「なかなかのサスペンスです。」セルラー 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
なかなかのサスペンスです。
拉致された主人公が、部屋に残された破壊された電話機をかろうじて使って
、たまたま偶然につながった青年に救出を依頼するストーリーです。
修理した電話機ではリダイヤルできない以上、この通話が切れてしまうことは、すなわちヒロインの命運が尽きることを意味する。
ビルやトンネルなど携帯の電波が止まったらアウトというのが、独特のスリル感を出していました。文字通りノンストップでドキドキ、息づまるサスペンスが展開します。
その仕掛けとして、拉致の事実が閉じこめられた主人公からなかなか外部へ伝わらないというもどかしさですね。そのカタルシスが次々高まって観客を失望されていくので、否が応でも「どうなるの」と画面に引きつけられました。
なんと言っても、つながった相手の青年ときたら、ビーチでナンパにいそしむ能天気な奴で、まったくこちらの状況を理解してくれません。イタズラ電話と思って切ろうとしてしまうのです。彼を何とか本気にして、警察に行かせても取り合ってくれません。
この監禁場所はいったいどこなのか?
なぜ自分は拉致されたのか?
犯人グループの正体はなんなのか?
いったいどうやって通話一本で脱出すればよいというのか?
観客もヒロイン同様、与えられた情報は非常に少なく、彼女とともに謎解きをしながら得体の知れぬ敵に対する恐怖を味わえます。
とにかく観客には、事件の真相に関わる情報の公開を制限しているので、次々起こる展開に、なぜ、どうしてという疑問がふくらんでしまいます。。
彼は携帯電話からの情報だけでどうやってヒロインにたどり着くのか、どうやって彼女を救い出せばいいのか、その過程に感心するほどたくさんのアイデアや見せ場をちりばめ、まったく飽きさせません。ドキドキワクワク、これほど楽しませてくれる映画はそうそくれたのは久しぶりです。
オーシャンズ13のジョージ・クリーニーは、少しここの作品の爪の垢でも味わった方がいいと思いましたね(^^ゞ
番組を見逃した方は、ぜひDVDをレンタルください。