大統領の理髪師のレビュー・感想・評価
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【韓国近代史をすこーしアレンジした、シニカルヒューマンポリティカルコメディ。出演する二人の韓国大統領は見れば分かるよね!単純だが、人の良い理髪師を若きソン・ガンホが、絶妙に上手く演じている作品。】
ー 最近、韓国の近代史の闇を描いた逸品「ソウルの春」を見たばかりだったので、面白く鑑賞した。
韓国映画界の、自国の過去の負の歴史を映画にするパワーと作品のクオリティには、驚くばかりだが、今作のようなアプローチの映画が有ったとは、目から鱗であった。-
■粗筋
1960年代の韓国が舞台。
大統領官邸“青瓦台”のある孝子洞で理髪店を営む平凡な男、ソン・ハンモ(ソン・ガンホ)。美しい妻キム・ミンジャ(ムン・ソリ)とかわいい息子ソン・ナガン(イ・ジェウン)に囲まれて幸せな日々を送るソンだったが、ふとした事件を機に大統領の専属理髪師に選ばれたことで、政争の渦に巻き込まれていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・という内容だが、今作は彼の時代の大統領二人(名前は出ないが、観れば誰だか、直ぐに分かる。だが、名前を出さないのがミソである。)の理髪師になった男の目線で、彼の時代がコミカル要素満載で、且つ家族愛もふんだんに盛り込まれて描かれているのである。
・北朝鮮の思想を、”マルクス主義”と呼び、”下痢”をすると、その思想に染まったとして、連行されたりするシーンは、実にシニカルである。
・又、最初の大統領の側近同士の権力闘争なども、愚かしく描かれている。
・単純だが、人の良いソン・ハンモを若きソン・ガンホが、絶妙に上手く演じている。大統領の専用理容師に任命されても、真面目に仕事をする姿や、息子のナガンが”下痢”をしたために拷問され、両足が動けなくなった時には、”突然亡くなった”大統領の大きな遺影の眼を少し削り飲ませたり”(龍の眼を飲ませる”という事であろう。)家族愛に溢れているのである。
そして、当時の韓国の体制も、この映画は物凄く皮肉っているのである。
<ラスト、ソン・ハンモが”新しい大統領の禿げた頭”を見て、手を止めて”髪が生えたら、又来ます。”(大笑い!)と言って、ボコボコにされながらも自宅に戻った彼は、息子も歩けるようになり、漸く幸せになったのではないかな。
今作は、韓国の近代史を思いっきり揶揄しつつも家族愛を描いたシニカルヒューマンポリティカルコメディなのである。>
❇️『平凡な床屋の奇妙な人生』 韓国の歴史も知れる
大統領の理髪師
❇️『平凡な床屋の奇妙な人生』
1960〜1970年頃の韓国の歴史をベースに平凡な床屋の店主の人生を描く。
1960年🇰🇷韓国のソウル、青瓦台。
1968年青瓦台襲撃未遂事件で
1979年朴正煕暗殺事件
大統領が住む街で平凡に床屋をしていた亭主(ガンホさん)が主人公。
ひょんなことから大統領の専属理髪師に抜擢される。
街で有名になった主人公かピークの頃、街はウィルス🦠が流行し徐々に周囲が騒がしくなる。実話テイストで笑いを交えた人情コメディー。
◉64D点。
★彡面白かったけどややインパクトが薄い。
特に映画の伝えたい所がゆるゆるモヤモヤでした。
🟢感想。
1️⃣ 『当時の韓国の時代背景が重なって面白い』★彡暗殺事件やウィルス事件など面白かった。(映画:KCIA 南山の部長たち)も関連でオススメです。
2️⃣『ガンホ兄貴の抜けた演技が最高!』
★彡絶妙にシリアスで、笑いやとぼけた役は兄貴しかできないんよな。ほんま。
3️⃣『前半と後半でストーリーのテイストが変わる感じ』★彡もう少し妻とのコミニュケーションが観たかった。
4️⃣『家族映画としてはやや弱いな。🤔』
★彡父親と母親、息子のつながりがイマイチ弱かったと思いました。
5️⃣『伝説の鍼師?の話はイマイチ。』
★彡ややファンタジーすぎるし、排便シーンなど観たくない。。(拷問やパワハラなど、結構シリアスなシーンもあったり)
6️⃣『拷問シーンは笑えない💢』
★彡コメディーにしたいのは解るが子供の特異体質設定にしてもあまり意味はなく。
💇🏻🤔🤭🦠🧑🏻🦽👔🥼💈✂️🧑🧑🧒🎴
善良な小市民
はっきり言ってバカ。
でも心根は善良で、正直で、よくわからないけど
警察とか町内会長さんのいうことはきっと正しいのだと
信じてしまう。
一昔前の田舎にはいたなあって気がするんです。
そりゃあ、息子が育ったら、息子にバカにされてしまうような親かもしれない。
それでも必死に家族を守ったし、
自分の信じる人に誠実で、
自分のできることをそのときそのときに
一所懸命にやった。
素敵な人だと思います。
韓国の軍事政権とか、歴史的な暗い影はでてくるけれど
ラストのはじけるような笑顔に
人間はまだまだ信じていい生き物だよね。
そう感じました。
韓国現代史を描く傑作
朴正煕の時代を中心に李承晩から朴正煕を経て全斗煥に至る韓国現代史を庶民の視点から描いた大傑作だ。
冒頭に「これはフィクションです」と断りを入れることによって、より事実の部分が強調される。
コメディの形を借り、フィクションの形を借り、娯楽映画に仕上げながら、韓国の民主化以前の時代を描いている。
アメリカの現代史を走り抜けた「フォレスト・ガンプ」に並ぶべき傑作だ。
歩けなくなった息子が象徴しているものは韓国庶民の自由と民主主義かもしれない。
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