「今は亡き親父を思い出す。」父、帰る マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
今は亡き親父を思い出す。
今は亡き我が親父を思い出す。
やさしい時もあったけど、だいたいとんでもない親父だった。何をやっているのか分からない時が何度もあった。『死んでしまえ!』と思った事もあるが、この世から去ってしまった今となっては、やっぱり、寂しい。そんな事言っているのかなぁ。凄く共感出来る。水が色々な形で登場する。最後のシーンに最初違和感を覚えたが、その理由が、エンドロール前の走馬灯の如く現れる紙芝居で納得した。タルコフスキーみたいに僕は感じた。
追伸『ドライブ・マイ・カー』はリスペクトしていないか?
マサシさんへ
コメント有難うございます。自分の体験も含めて、特に男の子は強い父親に憧れる傾向がありますね。私の父は、子供向けの本や流行りのおもちゃ(トランシーバー、レーシングカー、初期のプラレールなど)を買い与える優しいさの反面、大正生まれの戦争体験からか寡黙な人でした。カメラと8ミリ撮影と絵が趣味で、子供の躾けや教育には無関心の父親でもありました。強いイメージとは対極ですね。その反動からか、映画では「鉄道員」「わが谷は緑なりき」の父親像に憧れたものです。父親のことが理解できたのは、大人になって結婚して子供が出来てからです。
ロシア人の基準で男性に対する価値観に男性的な強さが求められると聞いたことがあります。容姿で言えば、頭が剥げているとかが魅力的だそうです。プーチンが小柄ながら体を鍛えているのには理由があるのですね。ただ男性の強さは、攻撃性と包容力に分かれます。今回は、その攻撃性が突出した悲劇と思います。
この映画の監督は次男の視点で作品を創作して、子供時に父親を失うことで将来に不安を抱く物語。ソビエト連邦が無くなり、その後に何が残ったのか、何を引き継ぎ、何を変えていくのか。その想いが反映された心理劇のロシア映画になっていると思います。