「ソビエト連邦崩壊後の選択」父、帰る Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)
ソビエト連邦崩壊後の選択
ソビエト連邦崩壊 1991年 から12年後のロシア人の思い
息子を救おうとして塔から落ちて死んだ父は、旧ソビエト連邦の象徴化であり、ロシアがこれから進むべき道を、ふたりの息子に託す形で終わっている。
父の存在に対して、息子たちは確かな絆も愛情も感じることが出来ない不信感とジレンマに苦しまなければならない。しかし、父を客観視すれば、間違いなく強さと逞しさを感じて従うしかない。そして、そんな父の呆気ない死に、適切な対処が出来ない兄弟の幼さ。
父の遺体が小舟と共に湖の底に沈む最期は、ソビエト連邦の人知れぬ葬儀のように感じられる。
革命で得た社会主義国家は表現の自由を奪いました。ソビエト映画も体制批判のタブーから離れ、限られた題材や個性的な表現に活路を見出していたと思われます。このロシア映画にも、その伝統に根差したアンドレイ・ズビャギンツェフ監督の暗喩を感じます。
なるほど、兄がロシアで弟さんがウクライナ。そんな見方も出来ますね。『さすが』と共感しました。
僕は自身の体験から、今は亡き父親の姿を懐かしく感じました。
いずれにしろ、ロケ地はサンクトペテルブルクから少し離れたデカい淡水湖のようで、シェスタコーヴィチの『レニングラード』を思い起こしてしまいます。
良い映画紹介いただきありがとうございました。大変に心動かされました。
お恥ずかしながら、まだ、見ていませんでした。早速、DVD買いました。見てから、また、感想レビュー書かせていただきます。
また、ロシアが詳しいのではなく、ミーハーなだけです。五木寛之のさらばモスクワ愚連隊が好きで、ロシアが好きになりました。それと、やっぱり『ひまわり』のリュドミラ・サベーリエワの美しさだと思います。ロシアとウクライナ女性の美しさです。
イルクーツクのロシアの人は本当に親切な人ばかりでしたよ。