「【”箪笥の中と下”。そして継母の全く目が笑っていない笑顔。”今作は生理的に嫌なシーン満載の歪んだ物語であり、カメラアングル、衣装、意匠が優れた二度見たくなる韓国考察系ホラー&哀しきミステリーである。】」箪笥/たんす NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”箪笥の中と下”。そして継母の全く目が笑っていない笑顔。”今作は生理的に嫌なシーン満載の歪んだ物語であり、カメラアングル、衣装、意匠が優れた二度見たくなる韓国考察系ホラー&哀しきミステリーである。】
ー 今作は、凄く怖いが、凄く魅力的で、少し角川映画要素もある韓国考察系じわじわホラー&ミステリーである。だが、今作を真夜中に見るのはお勧めはしない・・。-
■長い入院生活を終え、郊外の一軒家に帰ってきた”スミとスヨンの姉妹”。父の”後妻”である継母(ヨム・ジョンア)は、この美しい姉妹を笑顔で迎えるが、目が全く笑っていない・・。
スミは彼女に敵意を表し、スヨンは継母からの圧に怯える。そんな不穏過ぎる空気が流れる家の中では、やがて奇妙で怪異な現象が起きるようになる。
◆感想<Caution!内容にやや触れています。>
・今作は、ジャンルで言えばホラーなのかもしれないが、私はミステリーに近いと思う。
・今作の監督が、意図的に歪んだ物語にしたと思う作品である。元ネタは韓国古典ホラーの継子いじめ譚”薔花紅蓮伝”だそうであるが、そこに一捻り以上の捻りを入れている所が良い。
・随所でアップで映される、白い薬剤。
・何かを諦めたかのような、精気のない父の顔。そして、"全てはアンタのせい!"とスミに罵られるも、哀しそうな顔をするだけ。
・夕食に招かれた夫婦の妻に起こった出来事。
・台所の下に居る”何か”を覗く継母の怯えた美しい表情。ヨム・ジョンアの美しい顔が怖さを倍増させる。
・継母と同じ日に生理になるスヨン。
・スヨンがベッドで観た、足に血が流れる黒髪の不自然に首が曲がった自分に似た女が自分の上に倒れ掛かって来るシーン・・。
・映像はあくまでも美しく、不穏感に満ち満ちて、異様な緊迫感が鋭い金属音を背景に描かれて行く。
<今作は、生理的に嫌なシーン満載の歪んだ物語であり、且つカメラアングル、衣装、意匠が優れた二度見たくなるじわじわ系韓国考察系ホラー&哀しきミステリーである。
但し、今作を真夜中に見ると、夢に出ますよ・・。>