劇場公開日 2023年9月9日

オアシス(2002)のレビュー・感想・評価

全61件中、1~20件目を表示

4.0圧巻

2024年4月5日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

難しい

これほど観ている側の居心地を悪くする作品は少ない。なぜ居心地が悪いのか?
このラブストーリーに彼ら二人の思い描くエンディングはやってこないと心のどこかで思っているから。
スクリーンのなかなら、奇跡がおこり姫も将軍も慎ましいながらも幸せに暮らす未来もあるかもしれない。
現実にはどうか。
プロフィールだけでいけば、前科3犯(冤罪含むけど)性的加害の傾向、社会的ルールを理解する力の低さ、経済的活動能力の低さ。問題解決の方法をことごとく誤学習。
片や、生活のほとんどにヘルプを必要とする脳性麻痺。
わかっている。この二人がやっと手に入れた肩書きなしの愛情は本物かもしれない。どうにかならないものかと苦しむ私と、なにも出来ないと諦める私と両方がいる。
確かなことは、二人がこの愛によって幸せになるかもしれないし不幸になるかもしれない。どちらにしてもその機会すら奪う権利は私にはない。

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イズボペ

4.0「演じる」のではなく、「生きている」

2020年8月19日
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鑑賞方法:VOD

 日本では2004年に初公開されたイ・チャンドン監督の「オアシス」(2002)は、恋愛映画の概念を覆すような、詩的でありながら破壊力を持った作品です。ソル・ギョングが演じる社会に適応できない青年と、ムン・ソリが演じる脳性麻痺の女性の極限の純愛を描き、第59回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)、ソリがマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞しました。

 主演ふたりの演技には驚愕します。ギョングが演じる刑務所から出所したばかりの青年ジョンドゥは、落ち着きがなく、周囲をイラつかせ、29歳ながら子供のように無邪気で、家族からも煙たがられてしまう。ソリが演じる脳性麻痺のコンジュは、白いハトや蝶々が飛んでいるように見える部屋で、壁にかけられた異国の絵を眺め、ラジオを聴いてひとり夢想する日々。

 そんな社会から厄介者扱いされていた二人が出会い、彼らなりの愛を育んでいく姿に心打たれます。ギョングもソリもこの難役を「演じる」のではなく、「生きている」ようにしか見えません。チャンドン監督の名作「ペパーミント・キャンディー」(1999)でも共演していますが、同じ役者だとは気づかないくらいです。

 そして、脚本も手掛けているチャンドン監督の演出には唸らされます。障がい者を扱ったデリケートな物語ですが、二人の純愛を極限まで描き切ることで、映画的なファンタジー、もしくはコメディの領域にまで高めてしまうのです。車椅子の上で自由に動けずにいたコンジュを映していたカメラがパンしてジョンドゥを映していると、コンジュが健常者の姿になってフレームインし、普通のカップルのようにじゃれ合うシーンなどは秀逸。現実と幻想の境界線を軽やかに越え、交じり合わせてしまう映画表現には胸が熱くなり、改めて映画の力を感じることができます。

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和田隆

4.0微妙カップル

2025年5月31日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

興奮

WOWOW視聴より
可哀想だけど、どっちも精神病って感じで、どっちもどっちのカップルだったけど、最後の方は応援して観てた。
周りがあれじゃーね。
結局、警察のクダリは挽回できなかったのが残念。悲しいね。

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ノブ様

4.5姫君の演技力

2025年4月25日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

楽しい

幸せ

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アプソ

2.5韓国映画独特のやりきれない境遇ものかと思いきや…

2025年4月23日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

癒される

貧困、欲得、愚かな選択。
韓国映画お得意のドロドロものに見せかけて、衝撃的な設定の主人公二人の純愛を描いた物語でした。
脳性麻痺の女性が夢見るメタバース的な自らのもう一つの姿に涙がこぼれます。
この恋が悲恋に終わるのか、愛情が実を結ぶのか。
二人が幸福に暮らせる日がくればよいと心から願う結末でした。

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さとうきび

3.5見入ってしまうが、正直、好きにはなれない作品。 頭の線が何本か切れ...

2025年4月7日
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鑑賞方法:VOD

見入ってしまうが、正直、好きにはなれない作品。
頭の線が何本か切れている主人公と脳性麻痺障害のある女性のラブストーリー。
2人の役者さんの本当にそうかもと思える迫真の演技がすごい。
その他の人間がほとんどがクズという稀有な作品。
やっぱり好きにはなれない。

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はむひろみ

5.0何年も前に見て好きです

2025年2月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

難しい

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ロビ

4.0欺瞞と偽善を突くのだろうか?だけどコタえない。

2025年1月17日
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りか

4.0凄い恋愛映画

2024年11月30日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

20年前の映画だけど、今見てもあらゆう角度から凄い映画です。このテーマで日本で映画作ると道徳的になってしまう予感。またムン・ソリとソル・ギョングの演技力がこの映画を成功させています。古い韓国映画はお金かけてがテーマやストーリーが素晴らしいもの多い。

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モロッコガール

5.0不器用な二人の不器用な愛

2024年4月6日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

 前年の映画賞で高い評価を得た『ジョゼと虎と魚たち』をはじめとして、障がい者を扱った映画は少なくないが、人間への深い洞察力と映画が与える衝撃の大きさにおいて本作は一線を画している。鏡に反射した光が蝶や鳩に変化するシーンや、重度の障がいがある主人公が、一瞬、健常者のように立ち上がってはしゃいでみせるショットなどで、彼女の感情や心の動きを表現する演出が見事だ。

 脳性麻痺の女性を演じるムン・ソリの壮絶な演技が観る者を圧倒する。映画でここまでやっていいのだろうかという不安すら感じさせられるが、そんな映画のタブーさえもが差別なのだという、作者たちの強い意志が本作を支えている。『ジョゼ虎』では、男は結局、障がい者の彼女のもとを去っていったが、ここでは、警察に囚われた男は、脱走し彼女のオアシスに不安の影を落とす街路樹の枝を切る。ラジオのボリュームを上げてそれに応える彼女。不器用なふたりの精一杯の心の吐露が切なくいとおしく、見る者の胸を締め付ける。涙が溢れて止まらない。

 空想の世界で遊ぶしかなかった彼女が、明るい日差しの差す部屋で掃除をしているさりげないラストが、人間の生きる希望を象徴して美しい。名作である。

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inosan009

4.5シームレスにつながるリアリティとファンタジー

2024年2月5日
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鑑賞方法:VOD

多くの人は体験していないものの、どちらかと言えば直視を避けていたのかも…と思わされる設定に、最初は少しどう観ていけばいいのか迷った。
特に、主人公たち2人の最初の出会いや、花束を持った訪問の場面などは、観客としての自分たちはどこに連れて行かれるのか、正直不安だった。
けれど、観終わってみれば、見事にイ・チャンドンに引っ張り回され、深い余韻に浸っている自分がいる。
あんな出会い方がきっかけで、思いを通わせられるようになるのかなぁとも思わないでもないが、それも含めて、映画的なリアリティとファンタジーが、シームレスにつながっているところがいい。

ソル・ギョングもムン・ソルも、「ペパーミント・キャンディー」のあの2人なの??と思うほど、全く違うキャラクターを演じ切っていて、そこにも驚く。特にムン・ソルは、場面によっても全く違う人物になりきっていて、とにかくびっくりした。
ただ一つ「ペパーミント・キャンディー」や「シークレット・サンシャイン」でも感じたのだが、歌がとても効果的に使われているものの、それがどういう歌で、いつ頃、どんな流行り方をしたのか知らないので、そこを充分受け取れないのがちょっとさみしい。

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sow_miya

5.0ツートップ

2023年12月29日
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鑑賞方法:映画館

映画館で観るの2回目だけど、結末を知っているので落ち着いて観れて良かった。
障碍者役の女優さんが、頭の中で健常者になった想定のシーンが、今回は特にじっくり細部まで観れて良かった。

このオアシスと、殺人の追憶は、韓国映画の歴代ツートップだと思う。

202312028 目黒シネマ

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デビット・ボーイ

4.0周囲が分かってあげきれていない関係なのか

2023年9月20日
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鑑賞方法:DVD/BD

評論子はもちろん精神疾患に知識を持っている訳ではないのですけれども。
しかし、主人公のジョンドウはADHD(多動性障害)の気配があったのではないかと思いました。
服役の理由として、彼が夜の暗闇の中で、清掃員をクルマで轢殺してしまったことの本当の理由も、そんなところにあったのではないかと思います。評価子は。
つまり、周囲の無理解が彼を刑務所に追いやったのであって、服役は、彼の性格改善には、何の役にも立っていなかったのではないかと、評論子は思いました。

そう考えると、精神に障害(ジョンドウほの場合は「不安定さ」?)を抱えた二人の関係が、周囲の無理解…否、分かろうとしてあげてはいるのかも知れないけれども、分かってあげきれていないというべきなのか…。
いずれにしても周囲の人々の理解を得るのが難しかったのでしょうけれども、ジョンドウとコンジュとは相思相愛だったことは間違いのないことでしょう。
そういう周囲には伝わり難い二人の気持ちが、とてもとても…とても胸に痛い一本でした。評論子には。

観終わって、本当に切ない一本として、秀作であったと思います。

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talkie

4.5世界は砂漠

2023年9月19日
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Pocaris

5.0地獄のようなラブストーリー

2023年9月13日
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鑑賞方法:映画館

これはいったいなんなんだ…
『地獄のようなラブストーリー』としかいいようがない、観たこともない映画だった…
誰にも感情移入できないのに、愛とはなにか、生きる意味とはなにか、と考えざるを得なくなる。
特に脳性麻痺のヒロイン コンジュを演じるムン・ソリの芝居には震えながら落涙するほかない…
麻痺した肉体という牢獄に囚われた女性と、彼女が今感じているこう動きたいという在り方を、瞬時に演じ分けられる天才によって、映画的な奇跡の瞬間が何度ももたらされた。
間違いなく奇跡の映画だし、間違いなく後世に残すべきマスターピース。
観てなくてすいませんでした…

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ぱんちょ

4.5ソル・ギョング ムン・ソリ 良き

2023年9月4日
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これは、秀作でした

発達障害かな?ソル・ギョング演じる男と小児麻痺により身体の自由が効かない女ムン・ソリがすごかった

哀しいけど、幸せな気持ちにもなる場面もあった

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chagall

4.5ハッピーエンドととらえた

2023年4月6日
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悲しい

楽しい

知的

一生、他者と深く気持ちを通わすことのない人も少なくないのに、この二人は互いに交信できる相手ができた。
多くの人の考えるしあわせな末路にならないかもしれないが、思い出せる人、思い出せる楽しい時間、待ち遠しく思う人の存在を持てて、生きた甲斐があったというものでは。誰でも経験できることではないから。

トーンや状況や他の登場人物の心根が一様に薄暗いから、かえって二人の無邪気さが救いのように光を放って感じられた。こんな映画があったんですね。

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ekmek

4.0こんな恋愛映画ありなのか?

2023年2月16日
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鑑賞方法:VOD

上手く生きていけない二人の恋愛作品。これを題材にした監督、そして主演二人の演技が凄まじい。この題材、日本では無理だろうな…韓国映画、恐るべし。

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Iwarenkon

4.5常識人の偏見と愛

2022年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

予備知識ゼロで観ていたこともあり、オープンニングからずっと呆気にとられました。「オアシス」という何となく楽園のような清々しいイメージとは真逆のシーンが続き、つらいです。主人公ホン・ジョンドゥ(ソル・ギョング)は、観ているだけで不快に感じさせるようなことを次々やらかします。空気が読めない非常識な人間、なるべく関わりたくない面倒な男です。もう一人の主人公ハン・コンジュ(ムン・ソリ)は、別の意味で直視することが苦痛でした。その二人が出会ったとき、こともあろうに、男は信じ難い行為に及びます。正直、半分くらいまでは観ていても気分が悪いだけでした(苦笑)。ところが、後半かもっと終盤でしょうか、少しずつ印象が変わりました。美しくみえている中にある汚らわしさと、汚いもののように目を背けているところにある美しさを見せつけられて、心がかき乱されました。女が訳もなく怖がっていた樹の影を必死で切り落とす男の行為は、まさに非常識でありながら、誰も持ち得ないほど深い愛に溢れた印象的なシーンでした(涙)。そういえば、砂漠のような荒廃したところにこそオアシスはある、その意味に気付いたとき、心の奥の方からとめどなく涙が溢れてきました。自分が意識的、無意識的に排除している偏見に気付かされ、感銘を受けました。

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赤ヒゲ

4.0すごっ👀

2022年8月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

観てからひと月以上経ってもなんと書けばいいのか悩み続けた映画。
とにかく主演の二人の演技の凄まじさは必見💡

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らまんば
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