劇場公開日 2003年10月25日

「邦題の先入観で印象が変わってしまうのかも…?」死ぬまでにしたい10のこと 恵さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0邦題の先入観で印象が変わってしまうのかも…?

2019年9月2日
PCから投稿

重たいタイトルに反し、死までの短い時間を悲壮感なく繊細に描いた作品。

タイトル通り、死ぬまでにしたい10の事を軸としてストーリーが進むのですが、主人公は自分の人生をどこか達観した様な雰囲気があり、終始淡泊で控えめな表現が続きます。
見ている側も必要以上に感情の波が生じず、淡々と見れてしまうかも。

このようなストーリーなので、一歩間違うと印象に残らない作品になりそうですが、数少ない登場人物たちを演じる役者さん達が演技派なため、作品に深みを与えていると思います。
特に孤独な男性を演じたマーク・ラファロはさすが。
個人的にはパルプフィクションでファビアンを演じていた、マリア・デ・メディロスが見れて嬉しかったです。

この主人公の10のやりたいリストの中には、
子供がいるのに…と、人によっては不快に感じてしまう項目もありますが、
17歳で妊娠・結婚。余命を宣告されるまで不満を持たず、がむしゃらに家族と共に生きてきた23歳の女性ならではだなと感じます。
残された人たちへは原題の「MY LIFE WITHOUT ME」の中での幸せを考え残りの時間を過ごしているので、リストアップされた項目にエゴは感じませんでした。

何度も見たい作品ではないですが、見て損はない作品だと思います。

恵