「アトラクション映画の面白さ」リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)
アトラクション映画の面白さ
が、いっぱい詰まってる映画。もちろんストーリーの粗さとか辻褄とか言い出したらキリがないけど、非日常にどっぷり浸る映画としては良い出来かと。
冒頭の、戦車でいろんなもん破壊しまくりながらひたすら電車道なシーンからもうエンタメ要素てんこ盛り。この時代の映画って造りがデカいね。容赦なく部屋の壁を次々にドカドカ壊しながら前進していったり、ドイツ軍の飛行船をガンガン破壊したりと序盤だけで十分元が取れるアトラクションぶり。
そんな破壊の限りを尽くす謎の怪人ファントムに対抗すべく、英国政府が白羽の矢を立てたのがアラン・クウォーターメイン。ん?誰?となったが、ソロモン王の洞窟に出てくる冒険家だそうな。更に、吸血鬼の女性科学者ミナ・ハーカー、不死の呪いにかかるドリアン・グレイ、ジキル博士withハイド氏、某ネズミー海遊園地でもおなじみのネモ船長、透明人間になる薬を盗んで飲んじゃった泥棒スキナー、唐突に登場する若きアメリカン トム・ソーヤー。そしてこのメンバーを超人同盟と名付けた謎の男M。
これってアベンジャーズの原型っぽい。謎の男が組織を作って、キャプテン立ち位置のアランとかガジェット満載スターク風のネモ船長、ハイドに至ってはもうその葛藤も何もかんもハルクそのまんまだし。紅一点居るところも、若き後継者ポジションもみんなとても似通ったフォーマット。えと、ホークア…まあええか。
サノスほど圧倒的な力を持つ敵ではないけど、そこは色々と捻っていてそれはそれで面白い。また、登場人物のキャラクターも映画オリジナル設定が多いもののそれぞれ無理のない設定でよく物語にハマっていた。キャラそれぞれが色々な葛藤を抱えているけど、アベンジャーズほど複雑でもなく、もっと単純化してエンタメ色を失わない匙加減でよい。
こういう頭空っぽにして、いろんな国に飛んだりカッコいい潜水艦(ノーチラス号のデザインは秀逸、居住性はゼロ)やクルマで走り回ったり、肉弾戦から飛び道具までくまなく使ってドンパチやったりするアトラクション映画を絶やさないで欲しい。
難しい映画はそれはそれでいいけど、非日常にどっぷり漬かって夢を見るのも映画の楽しみなのだから。