クジラの島の少女のレビュー・感想・評価
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クジラに乗った少女
ニュージーランドの先住民マオリ族の族長継承問題、族長の跡を継ぐ者は男子とされていた。マオリ族に限らず古代より男性優位の風潮は世界中の歴史に深く刻まれている。
族長は孫娘を嫌うわけではないのだが伝統だから致し方ない、まして閉鎖的な村社会では尚更でしょう、そんな祖父と一家の葛藤の有様を主軸に、孫娘のパイケアが起こした奇跡により初めて女性の族長が誕生するまでを延々と描いています。
別にパイケアは族長になりたかったわけではないでしょう、族長の家系でなく普通の子であればよかったのです、母はパイケアの出産時に死亡、父は村を捨て海外へ、親代わりに育てられた祖父に報いたくともかなわぬ宿命、幼少期からお荷物扱いを受けた不幸な少女の物語なので観ていて楽しくはありません、伝統なんて糞くらえという心境です。
英国は日の沈まない国。新西蘭 濠太剌利 加奈陀 は英連邦
先ずは、ニュージーランドは『白豪主義』を取っていた英連邦の一国である。
また、マウイ族から見て、英連邦がどんな国であったかを知って、二つの民族の歴史を知って置くべきだ。それを踏まえて、この映画は見るべきだし、『白豪主義』は、日本や中国に対する『黄禍論』と同化して、第二次世界大戦戦の後暫くの間、威勢が続いていた事も理解しておくべきだ。ラグビー人気で、オーストラリアやニュージーランドがマウイ族に対して敬意を表し、軟化政策を取っている事も確かだろうが、一方で強引な同化政策は、今に始まったことではない。同じ英連邦のカナダでも、過去における同化政策で、過去の人達が少数民族にとった差別的行為を、ローマ教皇が代わりに謝罪をしている。だから、男女の問題と言うよりも、民族間の問題としてこの映画は見るべきである。
この映画の演出家は充分にそれを分かって、作品を作っていると思うので評価したい。良い映画だ。
途中までは見るに堪えない
前半から、もうエンディングギリギリまで、「これ20年前の映画やけど、今やったら製作も上映もできんのちゃうかぁ~?」と思うくらい女性蔑視、女性差別、そしてモラルハラスメントのシーンが多く、男性である自分でさえも気分が悪くなるほどだった。 しかし最後の最後のシーンで、それが杞憂である事が分かる。 そして現代でも、いや、現代だからこそ理解できる「女性の強さ、リーダーシップ」と言うものが上手く表現されているように思う。 かつて、男性より下に見られ虐げられていた時代を耐え抜き、対等、時にはポジション的に上に立つ時もある女性の姿。 その成長過程を、この映画の幼いヒロインを通して観る事が出来た。 (まるで人間の歴史みたく) ただ、こんな風に古い風習を維持し続ける事こそが、自分の使命、と思い込んでる頑固オヤジは、地球上の未開の地域にはまだいるんやろうなぁ~、という思いも一方である。 この映画の舞台も、そんな未開の地域の割に、登場人物たちは聞きやすい英語を話していた。 あれは、ニュージーランドのなのね。 前述の通り、もう20年も前の映画だが、今でも十分鑑賞に堪えうる内容。 テレビで放送があったら、再度観てみたい。 (多分機会は少ないだろう。その頃には女性差別よりも、LGBTの問題の方が大きくなっていることだろう)
いきなりオスカーにノミネートされた感
海辺にクジラの群れが打ち上げらて、村人が集まるシーンは壮観で、クジラを労わる彼らの努力がひしひしと伝わってきた。ここで思ったのが、この映画がアメリカで評価されたのもクジラを愛してやまないからなのかもしれないということでした。その後のシーンは想像ついたものの、『風の谷のナウシカ』を思い出させるファンタジーとなって気持ちが良かったです。子供が主役の映画と言えば、やはり学芸会!自然と涙を誘うケイシャの演技が見事でしたよ! 【2004年2月映画館にて】
マオリ族の間に生まれた少女の物語
マオリ族の子孫として生まれた少女が苦悩と葛藤を描いた姿に涙が出そうでした。
特に最後の主人公とその祖父と絆がやっと生まれたと思いました。(何故なら、前半は仲が悪かったのに、最後に海で溺れ病院で目を覚ましたとき絆が出たと思います。)
誰のせいでもない
族長である祖父が求める指導者としての血を引きながらも、女であることで認められない主人公。伝統が途絶えること、祖父が失望することに対し、彼女は何度も「それは私が女だったせい?」と考える。そして祖父もまた、ある事件をきっかけに、この不幸は誰のせいだ?と考える。そして彼女が、それは誰のせいでもないのだ、という結論に至り、それまでに、この小さな少女がどれだけ悩んだのだろう、ということに胸がいっぱいになるし、そこに辿り着けたからこそ、彼女は光を見出すことができたのだと思うと、自然と涙が出てくる。また観たくなるかも。
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