「圧倒的に美しく、圧倒的に冷酷なクルディスタン」酔っぱらった馬の時間 keitaさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的に美しく、圧倒的に冷酷なクルディスタン
バフマン・ゴバディ自身のアイデンティティであり、世界最大の難民として知られるクルド人の実情を時に温かく、時に冷酷にありのままに描いた作品。
この作品はドキュメンタリーでもある。
手持ちカメラによる映像から映し出されるクルド人兄弟たちはまさにありのまま、この地に住む紛れもないクルド人だ。
過酷な地で懸命に生きるその姿からは真の意味で人間の"生"が見えてくる。
また、映画的にも眼差しのような手持ちカメラの映像は良くできていた。
この作品やウィンターボトム監督の「In This World」、またはドキュメンタリーなど過酷な地で懸命に生きる人々の"生"の記録はいつまでも色褪せることなく、高度な文明社会に生きる私達に強い衝撃をもたらす。
そして、それは私達に後ろを振り返るチャンスを与えてくれているのかもしれない。
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