「犯人は転職したほうが良い」ロードキラー Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
犯人は転職したほうが良い
総合:50点 ( ストーリー:30点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:60点 )
犯人は1人でこちらの身元も位置も情報を簡単に集め監視出来るし、女2人も簡単に誘拐できる。何が怖いというか変なのは、こんなに何でも出来る超人がいることで、しかもそれがただの長距離運転手にすぎないこと。無線を三角測定で傍受して位置を知り追跡し車に電波発信機と盗聴器でも仕掛けたのかと思ったが、どうやってそれが出来たのかについての種明かしも最後までなかった。大型牽引車で自動車と追いかけっこも出来るし、宿泊施設への遠隔操縦まで出来たようだ。
とりあえず彼はその能力を活かしてCIAの秘密工作員にでも転職したほうが良い。彼の次の出演作は『ミッションインポッシブル』だな。その意味で物語は粗くご都合主義で真実性が低くのめり込めなかった。無線が飛び交っていても警察は動かない。
実は犯人以上に馬鹿で幼稚なことばかりする兄にいらついた。犯人も実は殺しが堂に入っているというか、この前にも何人かすでにばらしていそう。一番親切だった氷輸送の善良な運転手が何一ついいことなく一番悲惨で、最後は犯人扱いまでされる。たちの悪い兄に影響され流されやすいし善良とはいえ小物感があるが、ポールウォーカーはやはり目立つ。
犯人の顔は結局出てこなかった。そのこともありスピルバーグの『激突』に似ている。ただし本作では無線越しに声は聞こえる。
同年にはポール・ウォーカー出演の『ワイルドスピード』が公開されて一気に人気が出る。その意味で彼の最後の低予算映画の出演なのかもしれないと思ったら、本作の予算は2,300万ドルで、いうほどの低予算でもなかった。