フォロウィングのレビュー・感想・評価
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クリストファー・ノーラン監督の原型を観る
アカデミー賞作品賞はじめ7部門で受賞した「オッペンハイマー」で俄然注目の人になったクリストファー・ノーラン監督の長編処女作という本作を観て来ました。「TENET テネット」が2時間半、「オッペンハイマー」が3時間という超長編が当たり前のノーラン監督作品ですが、本作は70分なので、同じ”長編”とは言え最近の傾向とは異なりました。まだ売れるか分からない長編デビュー作なので、流石に2時間を超える作品を創れるだけの予算は集まらなかったのでしょう。また上映時間以外にも「オッペンハイマー」とは大きく異なることがあり、主要登場人物が3人に絞られたので、その点では分かりやすいと言えば分かりやすかったです。
とはいえ、時系列が行ったり来たりして観客の頭を混乱させるというノーラン監督らしい作風は、本作でも遺憾なく発揮されており、三つ子の魂百までを地で行ってるなと感心させられました。
内容的には、”尾行”が趣味の作家志望の男が、尾行に気付いた泥棒に嵌められてしまうというアッと驚く仕掛けがなされたお話でした。そもそも”尾行”が趣味って発想が面白かったですが、そんなヘンテコな趣味のために人生を棒に振ることになりそうな主人公の姿は、悲劇と言うより喜劇の域にあり、中々面白く、そしてどんなところに落とし穴があるか分からないという寓喩になっていたような気もした作品でした。
そんな訳で、本作の評価は★4とします。
デビュー作からノーラン流
ノーラン監督のデビュー作から時間操作、構成の複雑さ、音楽ともに監督らしい。
監督のデビュー作から観客に考えさせる(ここでは物語全般)ことを
テーマにしているのだから。なおさらだ。
ストーリーも斬新。観て良かった。
撮影もモノクロでドキュメンタリー風ノワールも唸らされた。
設定がかなり強引
この映画に仕掛けられたトリックは100%見破れない?
残念ながら、突っ込めない!?
16ピース程度の羽目絵🧩をバラして組み立てられた単純なストーリーなんだけど、
そのトリックは何か?
思い当たるのは、○○○だなぁ
あれは最初から二つのヒントがあった。
簡潔なラストだが一言多かったようだ。
( ̄▽ ̄)
フォロウィング
劇場公開日:2024年4月5日 70分
クリストファー・ノーラン監督が1998年に発表した長編デビュー作。
他人の尾行を繰り返す男が思わぬ事件に巻き込まれていく姿を、時間軸を交錯させた複雑な構成で描き出す。
作家志望のビルは創作のヒントを得るため、街で目に止まった人々を尾行する日々を送っていた。
そんなある日、ビルは尾行していることをターゲットの男に気づかれてしまう。
その男コッブもまた、他人のアパートに不法侵入して私生活を覗き見る行為を繰り返しており、ビルはそんなコッブに次第に感化されていく。
数日後、コッブとともにアパートに侵入したビルは、そこで見た写真の女性に興味を抱き、その女性の尾行を始めるが……。
1999年・第28回ロッテルダム映画祭で最高賞にあたるタイガーアワードを受賞するなど高く評価され、
鬼才ノーランの名を一躍世界に知らしめた。
2024年4月、デジタルリマスター版にてリバイバル公開。
この映画に仕掛けられたトリックは100%見破れない
フォロウィング
劇場公開日:2024年4月5日 70分
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クリストファーノーランの長編デビュー作
好奇心は猫をも殺す
さすがノーラン
クリストファー・ノーランが『メメント』(2000)の前の1998年...
デビュー作から時系列がシャッフル
ノーランはデビュー作からノーランだった
徹底して人間の本性を暴きだす
悪いのはどいつだ
メメントで一躍その名を馳せたクリストファーノーランがその3年前に作り上げたインディームービー。
監督、脚本、製作、撮影、編集の5役をクリストファーノーランがこなすブラック采配で、たった4人のキャスト、たった6000ドル(多く見積もっても100万円以下?)の製作費で評価、興行収入ともに好記録をマークし、各映画祭でヒッチコックが再来したとも噂されたほどの作品だったらしい。
キャストに有名俳優を起用することなく、プロットさえ良ければ映画は面白くなるといった極論を体現したような内容。
のちのメメントにもみられた時系列をシャッフルし、徐々に物語の概要と謎が明かされていくといった展開。
ただモノクロの映像と前述の無名キャストの採用の件もあってか、一回見ただけではおそらく理解出来ない笑。
現行で世界最高峰の映画監督の1人であるクリストファーノーランの処女作といった意味ではファンは押さえておくべき一本ではないだろうか。
低予算なのにさすが。
歯車を回す大工場のような都市は、人を本質的に無個性にし、温順に生きることを強いる。
そんな社会の中で、主人公は自分は社会的成功者ではないけれど「まっとうな人間」だと思っている。
そして、自分の「平凡さ」「実直さ」「好奇心」を言い訳にして、日常の延長にある犯行を重ねる。
理想像のような男コッブは、インテリな傲慢さで主人公を支配し、容赦なく破滅へと導く。
社会に自我を巻き取られることと、強い者にたやすく利用される弱さは、根っこが同じかもしれない。
ドストエフスキーの「分身」を連想した。
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