「フィルムノワール風のサスペンスだが、ノーランらしさが出ているという点でファンは楽しめる。」フォロウィング あふろざむらいさんの映画レビュー(感想・評価)
フィルムノワール風のサスペンスだが、ノーランらしさが出ているという点でファンは楽しめる。
クリストファー・ノーランのデビュー作。
製作費90万円で興行収入760万円。
2000年に公開された2作目「メメント」の製作費は10億円で興行収入は63億円。
これは「フォロウィング」の評判がよくて、「メメント」にはかなりスポンサーがついたということだろうか。事情はわからないが、1年でずいぶんと急成長したものだ。
物語は、ある男の語りからはじまる。街で見かけた人を尾行するのが楽しくなった、という。尾行するだけで、なにもしない。しかし、ある日いつものように尾行をしていたところ、気づかれてしまう。相手はコブという男で他人の家に侵入するのが趣味だった。男はコブと一緒に行動するようになるが…。といったもの。
時間軸をずらして編集してあり、観ているうちにいろいろとつながっていく。ノーラン作品の特徴がすでにあらわれている。
また、本作は「インセプション」の原型だろう。
「インセプション」は他人の夢に侵入する物語だった。本作では他人の家に侵入する。他人のプライベートな領域に踏み込むというコンセプトが共通している。
また、本作にコブという人物が登場する。「インセプション」でレオナルド・ディカプリオが演じていた役と同じ名前だ。Cobbはサンスクリット語で「夢」を意味する。
映画を観てから名前の意味を考えると納得がいく。
「フォロウィング」は、プロットはありがちなフィルムノワールといったところだが、巧みな編集によって時系列をシャッフルすることでオリジナリティを出している。ノーランファンは楽しめる作品になっている。
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