「.」ファニーゲーム 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
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自宅にて鑑賞。オーストリア製、M.ハネケ脚本・監督。クライム・サスペンスとでも呼ぶべきか……但し救いは無い。暴力は不快と云う監督の意図から怒りを憶えると策に嵌った事になる。観る側への挑発か、或いは物語の破壊か、A.フリッシュ演じる“パウル”をカメラに向かってウインクさせたり虚構を強調するシーンやセリフがある。ただ同じ様な意味で登場するリモコンのシークエンスは、大好きなM.ブルックスの『スペースボール('87)』で既出。長回しや遠景等、実験的な描写もあるが話のネタとして鑑賞する程度だと思う。50/100点。
・裸やゴアシーンを意図して外していたり、伏線じみた冒頭のヨット内でのナイフが呆気無く取り上げられたりと、この辺りに監督の計算が見え隠れする。“アナ”を演じるS.ロターは本番前に監督から、約20分近く泣くように指示されていたらしい。更に犯人側に許しを乞うシーンは、28回も撮り直しをしたと云う。本作の十年後にハリウッド版リメイクをM.ハネケ自身が、N.ワッツ、T.ロス等を使い撮ったらしいが、観るかドウかは微妙。
・鑑賞日:2011年11月23日(水・勤労感謝の日)
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