「そして男たちはリングに上がる」ビヨンド・ザ・マット ダース平太さんの映画レビュー(感想・評価)
そして男たちはリングに上がる
世界最大のプロレス団体WWE(映画公開当時はWWF)ファンの監督が、5年間に渡って数々のレスラーたちを追い、バックステージにまでカメラを入れて撮り上げた衝撃のドキュメンタリー。
登場する主なレスラーは、日本人にもお馴染みのテリー・ファンクを筆頭に、幼い娘がリングサイドで見守る前で、リング上5メートルの金網から場外の机にたたき落とされ、娘を号泣させるミック・フォーリー。そして、大蛇を従えたファイトスタイルで一世を風靡したものの、体の痛みをごまかすためにドラッグに手を出したことで家庭が崩壊してしまい、老いた今も一人で弱小団体のリングに上がり続けるジェイク・ロバーツなどなど。
自分の体を極限まで酷使し、ケガを抱えながらも、スポットライトやファンの歓声が忘れられずにリングに戻ってきてしまう、あるいは立ってしまう彼らの姿は、時に滑稽かもしれない。でも、そこには熱いハートがあるし、最高の試合を見せた時の観客の賞讃と、それに応える彼らの笑顔は、素直に感動できる。プロレスに興味がない人でも楽しめる非常によく出来たドキュメンタリーなので、オススメです。
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