劇場公開日 2001年6月9日

「着飾っても綺麗に見えず、元々ブスでもない」デンジャラス・ビューティー うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0着飾っても綺麗に見えず、元々ブスでもない

2023年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

この映画のキモは、粗野な男社会で、揉まれて成長したキャリア刑事が、おとり捜査のために美人コンテストに出場する羽目になり、女性としての美しさに目覚めていくという、サクセスストーリーだろう。

そこに、サンドラ・ブロックをキャスティングしたことは大正解だと思うのだけど、肝心の、めかし込んだ姿が、それほど綺麗に見えないという、演技プランの失敗がすべてだと思う。

アメリカの女性目線で追えば、サンドラはちょうどいい美人で、人種的にも多様性に対応できる女優なのだろう。例えば、ニコール・キッドマンあたりだと、もともときれいなのに、不細工に振舞うことが嫌味に映ってしまうだろう。

逆に、アグリー・ベティのような、不細工な女の子が輝いていくストーリーでも、きれいさの方向性は、かじ取りがとても難しい表現だ。

とにかく、使用前⇒使用後の分かりやすい落差が生まれることが、この手の映画の生命線で、せっかくいいストーリーで、キャスティングもばっちりなのに、落差が生まれないというジレンマは、期待はずれもいいところだ。

「笑うとブタっ鼻になる」「男のような悪態をつく」「振る舞いが女らしくない」程度の残念な美人なら、もっと大げさに崩してよかったのに。

うそつきカモメ