「仕立て屋の嘘」テイラー・オブ・パナマ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
仕立て屋の嘘
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5代目ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナンだからもう少しまともなスパイアクション映画かと思ったが、原作者のジョン・ル・カレは自身も諜報部員だった経験からボンドなんて妄想の産物だと言わんばかりに堕落したエージェントをボンドへの風刺劇のように描くからとんだ肩すかしにあってしまった。
アンディ(ピアース・ブロスナン)は身を持ち崩してパナマに飛ばされた落ち目のMI6エージェント、そのせいか好色ぶりと抜け目なさばかりが目について興醒め。
セレブ向けの仕立て屋ハリーは付き合いも広くアンディが情報源として目をつけるのは理に適ってはいるのだがこのハリーは追い詰められると嘘で繕う虚言癖の持ち主、アンディの悪知恵とあいまって話はとんでもない方向にエスカレートしてしまう。
皮肉と風刺が表立ち、スパイアクションとしての面白味には欠けているのでこの奇妙な二人の人間性を愉しむ趣向の映画なのでしょう。
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