タイガーランドのレビュー・感想・評価
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訓練だけ?の映画、
ベトナムの現地に行くことなく、終始、すべて「訓練」の映画。
前半は宿舎で、こういう映画あるあるの、上官が下ネタで怒鳴り散らすのばかり。
後半、その「タイガーランド」に行って、実戦さながらの訓練をすることになる。
でも「敵」は、アメリカの同じ兵士で、現地の予行演習みたいなかんじ。
でもそれで終わり。
んー、緊迫したとこもそうなく、訓練だけで終わってしまった。
シナリオは地味ながら良い
ベトナム戦争下、徴兵制が残るアメリカの訓練兵を題材にした作品で、徴兵された兵と志願兵をいっしょに描いている。ベトナム戦争そのものではなく、当時のアメリカ人の戦争に対する温度差がテーマとしてありそう。
主人公は徴兵されていて戦場を戦争をあからさまに拒み、その態度をときに実行する設定。だが、行動を共にする相棒は志願兵で戦場に赴くことに前向きで、なぜか作家志望。似つかわしくない二人を対話させることで、テーマを浮き上がらせる。
他登場人物もタイプ別のようなところがあって、志願兵だが家族向け体裁だったり、徴兵され現状に甘んじるしかなかったり、上官は基本戦場至上主義のスパルタ。
当時ベトナム戦争下では、一国の軍の訓練の中でさえ衝突が起きる必然。そこに重点をおいて外さなかったシナリオは地味ながら良いと思う。コリンファレル主演のアクションみたいな見られ方で損してそうな作品。
反戦
ベトナム戦争終盤に徴兵された者たちは戦地に行きたくない。命を落としたくない、戦争に行きたくないコリン・ファレルは上官に逆らいながら、部下の信頼を得ていく。精神疾患を理由に除隊される方法を教えたりするが、なぜ自分で、実践しないかがわからない。一風変わった反戦映画
主人公が求めたもの
ベトナム戦争末期の新兵訓練施設で、良い意味で軍に馴染まず、常識や法律を上手に屈指しながら自らの意思を貫く主人公の物語。
厭戦ムード漂いながらも旧態依然とした軍隊の中で、その姿勢と行動は、爽快に感じられます。
ただ、友人を軍隊から救い出し、自らも脱走しようとすらしながら最終的に戦地に赴いたエンディングには、少なからず戸惑いを覚えました。彼が除隊してしまっては映画的には締まらないものになるのは重々理解していますが、結局彼が求めたものは何だったのか分からなくなりました。
映画としてはそこそこ楽しめましたが、少しばかり物足りなく感じた映画でもありました。
命懸けの戦場アトラクション
「ベトナムに行きたくない者は神に祈るか、ボズに頼め」と言われるくらい、常に抜け出すことを考えているボズ(コリン・ファレル)。上官に対しても不遜な態度を取ったりするが、軍規にやたら詳しくて、抜け道を知っているため、ジョークを交わしたあとで仲良くなったりする男。除隊を願う者には家庭状況、身体的状況を訴えればベトナム免除となることも知っているが、自分では敢えてそうしない。どこまでなら許される行為かを知り尽くしてるのだから。
基本訓練を終えたのち、ベトナムそっくりの状況を作り出した実践向け訓練施設で最終チェックをするタイガーランド。兵舎では個人的対立なんかもあったりして、ひ弱な小隊長だったマイターに精神病院に入りたいと言わせたり、生活が苦しい状態のカントウェルにも除隊を勧めるボズ。どことなく労働組合の副委員長のような頼れる兄貴分といった感じもあるし、勝手に外出して女遊びもする男。
戦争を小説に書きたくて志願兵となったパクストンとも仲良くなり、一方では殺し合いに発展しそうなくらいに対立するウィルソンもいる。まだ戦場でもないのに、ここまでいがみ合うものかと思うほど狂気と化す新兵もいるのだ。やがて、実弾の入った銃をボズに向けるウィルソンだったが・・・という展開。
ベトナム戦争も泥沼化して末期になると、嫌戦感も高まっている頃。徴兵された者にとっては戦場に行きたくないと思うのも当然。とにかく生き残ろうぜ!といった自由の国らしく、ちょっと異質な軍隊モノでした。
なぜ殺すのか
自衛官の友達と見たら、『フルメタルジャケット』並の罵倒に笑いながらも
「こいつは何がしたいんだ!?」て冷静に主人公に怒ってた。
反発するのは恐怖の裏返し。とよく言うけど、あんだけ行動できたら…うん。
終盤のタイガーランドでの訓練は、戦争に潜む狂気を感じた。
いまの時代で生きることに感謝です。
そして虚しくも、一生を戦争に奪われてしまった若者の分まで必死に生きよう。
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