「やっぱり馬鹿な私には難解だった」クイルズ はむちんさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱり馬鹿な私には難解だった
小説、文芸、エロスドラマ、宗教的、オカルト、精神病院、舞台劇の映画化・・・こういった類のものには全く興味がないバカな私ですが、とりあえずケイト・ウィンスレット、マイケル・ケインを知ってるので、この二人を中心に何とか観れるかなと思って鑑賞。
・K.ウィンスレットに対し、本を読みたければキスしないと次のページを見せないぞ! と偉そうなジジイ(苦笑)
→ナポレオンの命令で変態小説を書く癖を治すため投獄されたジェフリー・ラッシュ
・M.ケイン院長は孤児の女(アメリア・ワーナー)と結婚
→いい人役だろうなと思ったら「カゴに閉じ込めておきたい」と、こちらも変態だった
そして、わいせつ小説なのに、なぜK.ウィンスレットはハマッてしまうのか・・・。
「私は本に救われている。精神患者相手の仕事は辛い。日々疲れ果てて・・・。本の中に身を置くの。役を演じるのよ。売春婦や人殺しになって。本の中なら悪女になれるから身を滅ぼさずに済む」--- どこかで発散する術がないと務まらないということかなぁ。ホアキン神父は、文字を教えたのにそんな活用をするとは思いもしなかったけど、どこか同情する部分が印象的である。まぁメロメロってことで。
観る前から私にとっては「理解するのが難しい映画だろう」と思っていたので、こうしたわかりやすい部分は大事でした。
純心に思えた可愛いアメリア・ワーナーもM.ケインの支配欲に気付いたのか、あっという間に他の男と行為するし、とにかく皆さんが病的、本能のままに思える。憎しみが欲望に火をつける流れですかね。
そして、死ぬ直前の儀式?で十字架を飲み込んじゃうJ.ラッシュ。無念のホアキン神父が以心伝心したかのように「変質者扱い」にされちゃう展開は、私は弱者の抵抗のように思えた。J.ラッシュの意志を継ぐかのように紙とペンを手にし、権力者M.ケインの操縦を打ち破れるのか、そんなふうに見える。いや単に暴露がしたいだけかなぁ・・・。逆に、全てを支配できる人が居ないと、人間は皆「欲のまま生きる淫らな存在」として滅びることになるだろう。そんなメッセージ性も感じちゃいましたね。
衣装はもちろん、病院(屋敷)のムードは良かったので映像的な違和感はなく楽しめると思いますが、ほぼ全部と言っていいほど「中での話」なので退屈に感じる人も多いと思う。外の景色も観たかった。
まぁ二度は観ませんね(苦笑)