「2003年レストア版での鮮やかな恋愛映画」ワン・フロム・ザ・ハート たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)
2003年レストア版での鮮やかな恋愛映画
初見は日本初公開直後(1982年12月)の映画館(テアトル吉祥寺)での鑑賞。
本日、約40年ぶりに観たのは「2003年レストア版DVD」で映像はとても綺麗だった。
またコッポラ監督らしく、この2003年レストア版は再編集がなされているとDVDジャケットに記載されているが、どこをどう再編集したのかは初見から40年経っているので不明。
フランシス・コッポラ監督(ミドルネーム表記なし)が、大作『ゴッドファーザー』や『地獄の黙示録』を作った直後に、オール・スタジオセットで撮った恋愛映画。
1982年に映画館へ行った際は、もちろん「ナスターシャ・キンスキー目当て」であった。
そして、彼女の綺麗さ、映画全体の煌びやかなイメージ、(当時としては)冒頭で自在に動くカメラワークがインパクトとして残ったが、改めて観てみると、ナスターシャ・キンスキーの登場シーンはかなり少なかった(笑)
まぁ、それだけ、ナスターシャ・キンスキーの登場シーンは数少なくても「名場面」だったということ。
独立記念日の前日に喧嘩した同棲カップル、ハンク(フレデリック・フォレスト)とフラニー(テリー・ガー)の物語。
二人は喧嘩したので、さよなら言って、それぞれ別の男女に恋をする。
ハンクはライラというサーカス娘(ナスターシャ・キンスキー)、フラニーは自称ピアニストのレイ(ラウル・ジュニア)とそれぞれイイ仲になる。
…という状況で、ハンクもフラニーも相手を想う気持ちが残っていて、これがひとつの画面でオーバーラップして映される上手さが見られる。
そして、二人はどうなるのか……という恋愛映画。
また、本作は、トム・ウェイツらの歌が物語にオーバーラップする。その歌詞に「♪… One From The Heart(心からの想い)」いう日本語字幕あり。
全体的に、とてもキラキラしたセットは見事であり、やはりナスターシャ・キンスキーが「グラス型セットの中で踊る場面」・「綱渡りするシーン」・「玉乗りするシーン」などは印象的な名場面と言えよう。
この映画、公開当時は評判芳しくなかった記憶があるが、現代でも通じる贅沢な恋愛映画として、なかなかの佳作であると思う。