悪い種子のレビュー・感想・評価
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こりゃ衝撃作だわ……
子役がすごい。
三浦綾子の「氷点」を思い出したりもした。
あれも、殺人者の娘の話。
しかしあの小説はうまいところに落としたなと思う。
本作はただただ怖いからね…。
母親は、子供を殺して自殺しようとするし。演出もすごいのよ。
最後には天罰が降るわけだし、バッドシードを受け継いだだけの少女にこの仕打ちはね…。
ただ、DVDにはこのローダという少女を演じたパティー・マコーマックのインタビューが付いていて、それが素晴らしかった。
まず当時300回以上もこの「悪い種子」の舞台版を演じてたんだね。この映画ではその演技を抑えた方だって…舞台版はどんだけ凄かったのさ。それと、共演した役者陣との思い出も良かった。特に女性陣の乳母役や死んだ子の母親役との交流が印象的だった。それとナンシー・ケリーとの相性も素晴らしかった。
もちろん、この映画に出演するにあたっては、いい思いをしているだけではないだろうに、過去を振り返って今は良かったと思う、と言っていて本作をいかに大事にしてきたのかがわかる振り返りインタビューだった。
マーヴィン・ルロイ監督らしからぬ題材への違和感が…
若干の長尺感と、
娘の問題の原因を遺伝と断じるかの前提に
共感するにはなかなか辛いものがあったが、
娘の悪い遺伝子は己にあると確信した母親が、自分と娘にどう後始末を付けるのかと
最後まで興味深く鑑賞した。
だから、母親が娘に睡眠薬を飲ませるシーン
では「ヒトラー~最期の12日間~」を
思い出し、母娘共にの死で決着なのか、
或いは母親だけが亡くなり、悪い種子だけが
残るという将来へのネガティブな余韻で
終了のどちらかだろうと見入った。
しかし、ラスト、娘だけを天が裁くとは
見事に予想を裏切られる結末だった。
評価を上げられなかったのは、
冒頭の観点や、「哀愁」や「心の旅路」の
マーヴィン・ルロイ監督らしからぬ題材への
違和感故だったかも知れない。
サイコホラーの教科書にしたいくらいの傑作
1957年公開作品なんだと。63年前ですよ。いや、これ無茶苦茶オモロイ。と言うか怖い。¥199- なら安いもんだし。もう、今、安くて面白い映画探索に嵌ってます。
サイコパス遺伝子の存在の可能性は、医学的には否定。と言うか、倫理上、否定されていると理解してます。が、犯罪心理学的な見地からは「高い確率で肯定」。反社会性の高い子供の場合、その遺伝率は80%を超えると言う、某研究機関の報告あり。いややなぁ、そんなん、遺伝したら。と言うか、サイコパス遺伝子なんてのがあったとしたら。色々とめんどくさそうで。でも、この映画のネタバレと言うか、クライマックスは、その問題に根差しています。
2018年にマッケンナ・グレイスちゃんでリメイクされたドラマがあるそうですが、そちらも観たくなりました。
1957年当時、悪が蔓延る結末は、米国内の法律上禁止されておりました。でね、話はそれるけど、ジョン・ウェイン主演の西部劇は、必ず白人がインディアンを撃退して終わるんですよ。それはオカシイやろ、って思うんですけどね。インディアンが白人の迫害を逃れて生き残るとか、白人を追い返すとか、法的に禁じられてたってことんか?なんてね。
悪しき遺伝子を抹殺するため、母親は心中の途を選ぶが、彼女だけがあの世に召され娘は生き残る。この映画も、ラストは「悪」たる8歳のサイコパス少女に天罰が下ります。今、リメイクされるとしたら、少女だけが生き残り無邪気な殺人は繰り返されるのでした、ってなるんかなぁ。マッケンナ・グレースで?イヤ、そっちんが見たいわ。
ほぼ少女自宅だけを舞台にして繰り広げられるサイコホラー。脚本と演技だけで、この不穏な怖さに満ちた世界感を作り出せるなんて、素晴らしい。いや、コンピューターによる映像化技術に頼り切ってる製作者、慣れ切った私達にとって、Discover Classicです。見る価値ありです。やっぱり、ストーリーと脚本と演技を大切にしなきゃ、な訳ですね。
良かった。とっても。
目からうろこが、落ちて落ちて落ちまくった。
☆は先人へのリスペクトです。
ブロードウェイのほうが面白いかも!?
ヒッチコックの「サイコ(1960)」が映画史に残るサイコ・スリラー系の映画としたら、サイコキラーなんて言う言葉が存在したのかどうかわからない、その3年前には、子供の連続殺人者を「心の旅路(1942)」や「哀愁(1940)」、その他には、製作者としてミュージカル映画「オズの魔法使い(1939)」などをこの世に送り出したマービン・ルロイがこの映画の監督を務めている、その当時としたら画期的というか、題材が子供の連続殺人者を扱っている、1950年代、まだまだコケージョンとしたら理想的な家庭を築こうとしていた時代に逆行をするような内容となっているためか、エンドマークの後に予想もできない終わり方をしている。その上、原作とは異なった終わり方をしているので、個人的には“甘っちょろい”“大衆に迎合した”映画にしていると手厳しいことをいくら50年代のアメリカが背景にあったとしても受け入れられないところが見え隠れする。
You have just seen a motion picture whose theme
dare to be startlingly different.
May we ask that you do not divulge the unusual
climax of this story.
Thank you.
まるで映画「エクソシスト(1974)」のような宣伝文句もエンドロール前に流している。しかしながらこの映画は、ある意味、後世に残る、数々のホラー映画やスリラー映画に影響を与えた主人公ローダの母親クリスティーンの精神的重圧をゆっくりと描いているところも散見する。
ほとんど家の中と裏庭しか設定場所が出てこないので、シナリオ自体、まるでシアターで劇を見ている観客の一人になったような気分になり、しかも、この映画はローダが直接殺人を犯すシーンは一切出てこない紳士的な部分もあり、あくまでも殺人を犯したと思えるのは、登場人物の伝聞でしか、すぎない。
2018年には、この映画のリメイク版がTV映画として復活しているが主人公の名前がローダからエマに変わっているのは意味が分からないところもあるが、エマ役には最近公開された「アナベル 死霊博物館(2019)」や「ギフト(2017)」に出演された天才子役、マッケナ・グレイスが務めている。
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