「ブロードウェイのほうが面白いかも!?」悪い種子 Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
ブロードウェイのほうが面白いかも!?
ヒッチコックの「サイコ(1960)」が映画史に残るサイコ・スリラー系の映画としたら、サイコキラーなんて言う言葉が存在したのかどうかわからない、その3年前には、子供の連続殺人者を「心の旅路(1942)」や「哀愁(1940)」、その他には、製作者としてミュージカル映画「オズの魔法使い(1939)」などをこの世に送り出したマービン・ルロイがこの映画の監督を務めている、その当時としたら画期的というか、題材が子供の連続殺人者を扱っている、1950年代、まだまだコケージョンとしたら理想的な家庭を築こうとしていた時代に逆行をするような内容となっているためか、エンドマークの後に予想もできない終わり方をしている。その上、原作とは異なった終わり方をしているので、個人的には“甘っちょろい”“大衆に迎合した”映画にしていると手厳しいことをいくら50年代のアメリカが背景にあったとしても受け入れられないところが見え隠れする。
You have just seen a motion picture whose theme
dare to be startlingly different.
May we ask that you do not divulge the unusual
climax of this story.
Thank you.
まるで映画「エクソシスト(1974)」のような宣伝文句もエンドロール前に流している。しかしながらこの映画は、ある意味、後世に残る、数々のホラー映画やスリラー映画に影響を与えた主人公ローダの母親クリスティーンの精神的重圧をゆっくりと描いているところも散見する。
ほとんど家の中と裏庭しか設定場所が出てこないので、シナリオ自体、まるでシアターで劇を見ている観客の一人になったような気分になり、しかも、この映画はローダが直接殺人を犯すシーンは一切出てこない紳士的な部分もあり、あくまでも殺人を犯したと思えるのは、登場人物の伝聞でしか、すぎない。
2018年には、この映画のリメイク版がTV映画として復活しているが主人公の名前がローダからエマに変わっているのは意味が分からないところもあるが、エマ役には最近公開された「アナベル 死霊博物館(2019)」や「ギフト(2017)」に出演された天才子役、マッケナ・グレイスが務めている。