惑星ソラリスのレビュー・感想・評価
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近未来的でもあり、哲学的でもあり
アンドレイ・タルコフスキー監督 1972年の作品、数十年ぶりの鑑賞。
近未来的でもあり、哲学的でもあり、メンタルをすり減らす感覚もあり、
やっぱり、考え込む作品でした。
そのへんの首都高が、映像になると不思議ですね。
SF金字塔 ソラリス モノリス
Dボウイ⇒坂本龍一⇒なぜかタルコフスキーに着地 坂本教授が影響受けた映画音楽とのことで、流水音もただの自然の音ではなくまるで映画音楽のようにと拘りが感じられるらしい レンタルは確か昔途中頓挫してしまったけど音にも注目するとまた新たな見方が出来るかも しかしカメラアングルも音楽もちょっと恐い時が...ホラーテイスト? 米ソで作りがこうも違うのねという印象で画面も寒々、厳かな感じ 肝心のストーリーは1408号室を想起した
爪痕を残した作品だろうけど、長い…眠い…
165分、噂どおり眠くなりました(笑)
導入部分が長くて長くて、序盤50分ぐらいを10分ぐらいにカットできるでしょ。
あの女性の設定とか、ああなっていったりとか…
あのラストも…
いろいろ影響を与えてるんだな…
でも、長い…(笑)
でも、オススメです(笑)
やっぱりラストは素晴らしいが…
37年ぶりに観た。
といっても当時観たのは短縮版(東京12ch版?)だったので、やっと本来のヴァージョンを観ることができた。
その短縮版ですら、だいぶ冗長に感じていた本作、あの衝撃のラスト以外は殆ど内容は忘れていたが、やはりずっと気になっていたのは、知性を持つソラリスの海と人間は、結局コミュニケーションは出来ていたのか?
だったのだが…
ん?
え?え?ない?え?ない?ない?
………
な、な、ない…
無いって、どういうこと?!
映画にしたら最もスリリングになるはずだった、そんな部分をバッサリ捨て去るとは…
もう本当、なんというか…
まったくもって大変に失礼ながら…
本当、バカなんじゃねえの?
………
後で知ったが、原作者のレムが口論の末に怒りまくったのも無理もない。
やっぱりタルコフスキーはエリート主義(言い換えると芸術至上主義)が過ぎるというか、結局は我田引水なんだろう。
主人公の妻が声高に訴えていた科学技術に対する不信感も妙に説教臭かったし。
心理学者であるはずの主人公も、近代&現代以降の心理学のメソッドを駆使するような事も無く、殆ど心理学者には見えなかった。実は心理学それ自体に懐疑的になっているように見えなくもなかったが…
であるなら、明らかにそれと匂わす印象的な描写は入れて欲しかった。
宇宙ステーションのセットデザインの方も、あのキューブリックの『2001年〜』の後発なんだから、もうちょっと気合い入れて欲しかった。予算は潤沢にあったようだし。
あと突然、東京の首都高のシーンが出てくるが、アレは一応、未来都市としてのフッテージだったらしい…
我々にしてみれば、懐かしの70年頃の東京へ突然タイムリープっていう感じにしかならないし、ましてやリアルタイムで観ていた人達にしてみれば、なんでSF映画なのに現代の東京?と思ったに違いない。
本来は大阪万博のパビリオンを未来都市の背景に利用したかったらしいが、それにしたって間違いなく懐かしの70年代映像にしかならなかっただろう。
こういった辺り、本当にズレてるというか、手抜きというか、本気でSF映画を作ろうという気概はなかったみたいだ。
タルコフスキーにしてみれば、SF的な作り込みなどは、単にオモチャの延長でしかなく、彼なりの芸術とは無縁だったのかもしれない。
あのラストといい、冒頭からの水の描写といい、素晴らしい映像が多かった分、なんとも勿体ないことをしたもんだ。
映像としての魅力がズバ抜けている部分と残念な部分、そして原作において最も重要なテーマを確信犯的にオミットしてしまう部分…
ソダーバーグがリメイクしたくなるのも良く分かるような気がした。
スタニスワフ・レムの原作を読んで、映画も見る事にした。
Blu-rayで新装版が出ているので、買ってしまった。4000円位したが、配信されていないので、仕方ない。
封切りで見たのと、一昨年、渋谷のアップリンクで見た。
スタニスワフ・レムの原作を読んで、映画も見る事にした。だから、タルコフスキーの映画だから見たのではない。
最初見た時、舞台劇の様で、面白くなかった。
アップリンク渋谷で見た時は、ベタな映像だなぁって思った。
つまり、原作を超えていないなぁと思った。
そして、今回は、原作をある意味、忠実に再現しているのでは。と感じた。つまり、面白かった。
ソ連の映画って、上空から見下ろすと言った空撮が多いと思う。ボンダルチェクの戦争と平和もそんな場面が多かった。惑星ソラリスもその手法が使われていると思う。
色即是空
全編に渡って沈鬱な空気が画面を漂っている。 カラーとモノクロのシーンが交互に現れ、登場人物の感覚や思考を炙り出す。 会話のリズムは非常にゆっくりで、内容は内省的で哲学的。 旧ソ連作品ならではの粗末なセットが、独特のリアリティと重厚感を醸し出す。
印象を一言で言うと、幻想的。 ただし、イメージと雰囲気だけで流したりぼやかしたりはしていない。。 人物の心理と行動が考え抜かれた演出で描かれており、最後まで退屈を感じない。 2時間40分を見入ってしまう。
原作は読んでいないが、この作品を見る限り、まさにこの世のカオス、「色即是空」の世界観を描いているように思えた。 監督は、イメージ通りの物語を具現化できたのではないだろうか。
ロシアには、ドストエーフスキーもトルストイもタルコフスキーもいた。 プーチンにも、もっと人間らしく悩み苦しんでほしいものだ。
【捉えて離さないもの】
宇宙開発競争が米ソの間で高まるなか、神の領域を思わせる映画が、「2001年宇宙の旅」と、そして、この「惑星ソラリス」だった。
日本人には、近未来の場面に、東京の首都高が使われていることが親しまれている。飯倉のところの秀和レジデンスのマンションは今でもある。
「2001年宇宙の旅」では、積極的に宇宙に進出していこうとする人類に対して、AIコンピュータのHALが、神を恐れているなど非常に人間的に描かれていて、その逆説的な表現が斬新だった。
「惑星ソラリス」は、実は、神の領域というより、神々の作りたもうた人間とはいかなる存在かとか、無意識のなかに潜み、自分を捉えて離さない、そう、縛り付ける人の幻影やものをどう考えるかがテーマだと思う。
無意識のなかに潜むものについては、「ストーカー」にも引き継がれるテーマだ。
僕達は、亡くなったり、別れた愛する人の幻影を事あるごとに思い出したり、追い求めたりしてはいないだろうか。
家族もそうだ。
生まれ育った街や田舎も同様だ。
アイデンティティとはそういうものだろう。
だが、意図せず別れた人は、常に、人の心を捉えて離さないことは多いのではないのか。
ふとした時に、群衆の中に、似た人の姿を見出したり。
それは、ソラリスの海のように無意識のなかを循環して、時々、姿を現し、元気づけることもあるかもしれないが、多くの場合は人々を惑わせ、混乱させるのだ。
もし、ソラリスのように、それが現実のものとなって出現したら『その人はその人』なのだろうか。
人は、人の幻影が作り出したものではない。
それは誰しもが理解していることだ。
しかし、人の心は、そうした幻影に縛られてしまうのだ。
ソラリスの海に島や家が出来て、家族もいる。
それは、何かを生み出しているようで、実は人が自分の心のなかに閉じこもるようでもある。
これも、一種の逆説的な表現なのだろうか。
そして、どこか寒々しさも感じてしまう。
神は、こうした幻影に揺らめく僕達に、何を問うているのだろうか。
どうしろと言っているのか。
仏教は、執着は良くないということが多い。
でも、執着は、とても人間らしいことではないのか。
親鸞は、執着を否定していなかったように思う。
「惑星ソラリス」が提示するテーマは、これからもずっと、時代時代で、人々が個人としてずっと考え続けなくてはならないテーマなのだ。
心の深淵、ソラリス
“Beware that, when fighting monsters, you yourself do not become a monster… for when you gaze long into the abyss. The abyss gazes also into you.”
怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。
上記したのは、ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの「善悪の彼岸」に記されている言葉である。
この「惑星ソラリス」は、スタニスワフ・レムが書いた小説が原作としているが、あくまで「枠物語」として利用したとするタルコフスキー監督。
小説を未読なのでこのあくまでこの映画でのソラリスの描かれ方に関しての解釈しかできないが、ソラリスと人間の交流を図るというのは、「自分の心の中を覗きこむ」という行為に近いことなのではないかと思った。心の中は宇宙と同じで、暗く、どこまでも続いている。
人間は幸せな状態の時、「人生とは何か」「自分とは何か」「愛とは何か」という問題に関心を向けない。逆に言うと、関心を持たなければそもそも問題が生じない。しかしそれが正解で、純粋な生きももの在り方なのである。
しかし人間は悲しみ、悩む生物だ。すると考えなくていいことをつい考えるようになる。すると出口の無い心の迷宮に迷いこみ、答えの無い問題と向き合うことになる。「これは病んでいる人」が行う行為だ。
劇中出てくる人物たちは、皆心を病んでいるように見える。しかし、これは宇宙ステーションにいない私たち視聴者も、充分になり得る状態なのである。
こういう哲学を感じるSFは個人的に大好きなので、始終楽しく観れた。睡魔に何度も襲われたのも事実だけど。
ゆったりとした美しい映像を観るのは小説を読んでいる感覚に似ていて心地いい。
東京の高速道路のシーンが結構ガッツリあって、それが妙にSFの雰囲気に合っていて面白かった。
"ソラリスの海"
綺麗な森の木々、佇む家などタルコフスキーの美的センスがピカイチかと思いきや、SF描写が陳腐で基地内のディテールに古臭さを感じてしまい63年の「イカリエ-XB1」と比べると美術的な部分に残念さが。
東京?首都高?何故に日本の道路を走っているのか?しかも、そのシーンが長く続く。
タルコフスキーは小難しいイメージが大で原作すら知らないが、物語の世界観にすんなり入れて興味深く飽きずに観れたのも束の間、ラストの意味ありげな終わり方に理解出来ない自分。
タルコフスキーが撮った"B級SF映画"何て言ったら、有識者に怒られてしまうカナ!?
科学者二人は明解な答えを一切出さない感じで若干、イライラさせられたり、、、しませんか?
ギリギリSF映画に踏みとどまっている
30年以上前に観た、久しぶりに観なおした、記憶よりずっとメジャー感のあるSF映画であった。観たときはなんだこの不思議感は~というビックリした、おそらくハリウッドSF映画しか知らなかったからだろう、タルコフスキーの中では普通な感じが一番する映画だ。
スタニスラフ・レムはお怒りだったと
伊集院光の番組で評論家だったか誰かが言っておりました。
ラストの改変にブチキレたそうです(笑)。
でもソーダーバーグ版
「ソラリス」にもお怒りだったようで。
というふうに今読んでる原作のあとがきに書いてあります。
どうつくったって怒るんじゃんレムさんは。もうおなくなりになってかなりたつようですが。
まあ〜とはいえよ…ラストはともかく、この映画は
ながい、カットの尺が
ながい、映画自体が
そしてあなたはだんだん眠くなる〜o(__*)Zzz
しかし、それでもこの映画にこだわり、原作にまで手を出したのはいまだに話題にあがるというのもあるけど、魅力があるんだろう。
クソながい劇中でも、何度もみたくなる場面がある。先ほどの伊集院光の番組でも流してたので多くの人が同じように思ってるんだろうな。
とにかく女優さんが美人でいかにもロシア美人て顔立ち、その奥さんを抱えて(実際の奥さんではないが)テーマ曲がかかるなか、主人公が部屋中を浮遊する。でもみじかい…タルさんよ、こういう場面こそ尺とれよ。水面やらおっさんの顔やらなが回ししてどうするんだよw
それでもタルコフスキー版のがよいね。ソーダーバーグ版はみなくていいです。
久しぶりにみてみるかな、でもめんどくさいなあ(笑)ながーいので。ロシア人は眠くならんのかな。
寝ながら何度も見たい
こうゆう映画を映画館で見ることが出来なくて残念。複雑な世界観と綺麗でかっこいい映像なので、原作と合わせて何度も見たい。すごく眠くなるのでその境の感じを楽しみながら見たい。映画を見るのが時間の無駄と思う人にこそ進めたいような名作でした。
難しい
言葉で語るのではなく、映像で語る作品だったので、私には難しすぎました。ただ、当時のソビエト連邦のガチガチな体制を想起させる様な息苦しさを、フィルムから感じました。『2001年宇宙の旅』より神秘的に見えるのは、ソビエト連邦がアメリカよりも日本から遥か遠い国だったからでしょうか。首都高すら、神秘的に見えたので。
低予算エスエフ傑作
レムの原作が丁寧に再現されている。中だるみ感があるとよく言われているが、レムが好きなせいなのか、そんなに気にならなかった。
確かに科学者同士の専門的な会話が多いし、他のエスエフみたいに視覚的な派手な演出もない。
しかし、長まわしのシーンはロシアのどんよりとした天気もあいまって鬱々としていながらも美しく、ソラリスの世界観と主人公が精神的に囚われていく描写がうまくマッチしている。
現実に生きるよりも、ソラリスが創るファンタジーに逃避すること…自分の作り出す思考の中へと囚われていくことを敢えて選択したクリス。
ノージックの経験機械に通じる。本当のようなフィクションであれば、それはリアルに勝るのか。
銀幕で観るという快感
惑星ソラリスを銀幕で観るという快感にひたってきた。
テレビ全盛期の80年代、当時まだ高校生だったときに映画にはまり、一日2本立ては当たり前。
映画祭で古い映画や名作を3本4本は観たり、映画館のバイトもしたから最新作はタダで、ものすごい数観てた時期がある。
その中にこの映画があり、人生で5本の指に入る傑作のひとつで、ずっとレンタルを探してまた観たいと思いつづけてたら、シネマテークさんがやってくれました!
眠たくなる映画として有名だけど、館内が暗くなり予告編でウトウトしてしまい、まずいとなって、いよいよ本編がはじまると文字が流れてるだけだからまた寝てしまい、この先が不安に。
それでもはじまれば、心配したほど寝ることなく、3時間近くどっぷりはまっていった。
観たことない人にいっておくと、それほど退屈じゃないし、寝てしまってもそれはそれでこの映画のよいところだから、臆せずに観てほしい。
ソラリスの海は、意思を持ってる。
幻覚なんかじゃない。
心を読み取り、夢でみたものを物質化してしまう。
不安定なニュートリノがソラリスの磁場で安定して、このようなことが起きる。
ソラリスの海にアクセスしつつ、そこで人間は苦悩するのだ。
哲学的、観念的に対処しようとも、それが何なのかわからなくとも受け入れるしかない。
そんな中で、地球愛の意識がめばえはじめる。
本当にタルコフスキーはすごい。
だけど、やっぱり最後のシーンはわからない。
そこがまたいいところ。
この映画の答えは、観た人の数だけあるのだから。
また、うちのブルーレイで観るとして。
次は、標的の島。
ミツバチのささやきも上映予定!
※以下、評価5にした映画史上最高傑作10選+αの発表です
2001年宇宙の旅
惑星ソラリス
ブレードランナー
未来世紀ブラジル
ミツバチのささやき
ブリキの太鼓
時計じかけのオレンジ
裸のランチ
ウンタマギルー
ナウシカ
もののけ姫
ストレンジャー・ザン・パラダイス
バグダッド・カフェ
ドゥ・ザ・ライト・シング
眠いw
眠いときに寝られる映画ですw
長回しだったり、静かだったりで眠気を誘う誘うwそこそこ長いし。
それでも、やはり名作と言われるだけのことはあるなぁ、と思いました。
台詞回しだったり、ところどころ入ってくるソラリスの海のシーンだったり...
そしてやはりラスト。
最後までみて、そしてこのラストにたどり着いて欲しいですね。
もう一回見たいと思うけど、長さが...w
ひたる映画
観てるとすごく眠くなります。何度となく途中で寝ましたが、何故かやめられない不思議な名作です。ちなみに数年前にリメイクされたのを観ましたが、似て非なるものでオリジナルの良さがすっかり抜け落ちてますのでご注意を。
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