劇場公開日 1946年10月2日

我が道を往くのレビュー・感想・評価

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4.0心地良すぎてうっとり眠くなる

2021年4月20日
PCから投稿

観る者を裏切らない精神が宿った作品。
1944年って、よくわからないけれど、
レトロなアメリカの町並みが映画ポスターみたい。

全体的には聖歌が中心で、心地良すぎてうっとり眠くなる。

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miharyi

3.5アメリカ的なヒューマニズムを謳い上げた時代の産物にして良心作の清明さ

2020年12月11日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

太平洋戦争終結の翌年1946年に本邦初公開されたアメリカ映画。戦争の最中に、ヒューマニズムを静かに語り、人間啓発として臆することなく堂々と提示し、そして自由を謳歌するアメリカ映画の時代が生んだ良心作。レオ・マッケリー監督は特に傑出した演出技巧を備えてはいないが、平明な物語を丁寧に構築する職人肌の安定した作風の持主と見る。主演ビング・クロスビーの明るいキャラクターと歌の上手さ、名脇役バリー・フィッツジェラルドの独特な味が憎めない人の良さを漂わす老神父を楽しむ作品。ただ再開した戦後初のキネマ旬報ベストテンでは大差をつけてベスト1に選出されているが、あくまでGHQに占領されていた時代の評価であり、批評家たちの忖度が強く感じられる。または、敗戦からの復興を目指した当時の日本人が励まされ勇気付けられる意味合いで好感度高く捉えられたからかも知れない。どちらにしても、ルノワール監督の「南部の人」、ヒッチコック監督の「疑惑の影」、デュヴィヴィエ監督の「運命の饗宴」より優れた作品ではない。最も厳格な鑑識眼を持つ批評家飯島正氏がベスト1に選んだことが、個人的には腑に落ちない。
1983年 9月16日

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Gustav

3.0善人だけの映画の限界も

2020年7月18日
スマートフォンから投稿

アカデミー作品賞他多数部門受賞、
キネマ旬報第一位作品とのことで期待して
鑑賞。
しかも内容は自分好みの
“爽やかなgoing my way作品”のはずだった。

しかし何故か作品に充分に入り込めない。

私は映画の価値基準を、
“リアリティのあるストーリー展開”と
“ヒューマニズムに裏打ちされた社会テーマ性”に置いています。

この映画、教会を舞台にした
幅広い再生の物語は
“ヒューマニズムに裏打ちされた社会テーマ性”についての要素は充分でした。

しかし登場人物の全てを善人にしてしまった
ことによって結果として
“リアリティのあるストーリー展開”
の要素を失っていることが
入り込めなかった原因に思えた。

主人公の己への悩みの無い全てに達観
したような能力と活躍、
主人公の優しさに少し触れただけにしては
何故か急速に結婚まで進む不動産屋の息子
の家出娘との恋愛物語、
幼なじみのオペラ歌手との突然の再会と
教会再建への献身、
そもそも唐突に教会が焼けるのは
神父と教会の再生を導くためなのか。

それらは登場人物が善人ばかりのために
もたらされた結果か、
話の展開が自然さに欠け、
全てが都合よくストーリーを繋いでばかり
いるように感じてしまう。

例えば「素晴らしき哉、人生!」では
悪徳銀行家の存在があり、
その対比として
悩める主人公ジェームス・スチュアート
の善人性と周りの人々に及ぼす善性が
生きてくる訳で、
それが不自然の無いストーリー展開
と相まって、あの感動のラストシーン
に繋がっていると思う。

世間の評価の高い爽やかな映画ながら、
善人だけで構成した結果が
ストーリーの平板さをもたらすと共に、
リアリティを欠いているよう思われ、
私には少し乗れない作品になってしまった。

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