若草物語のレビュー・感想・評価
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時系列で分かり易い
2019年の「ストーリー・オブ・マイライフ」に続いての視聴。こちらの方が時系列になっていて、未読の人には筋がわかりやすい。2時間で、小説みたいに心理の綾まで描くのは、難しいのだろう。2019年版の方が、四姉妹の性格、心理描写が際立っていた。逆に1995年版の方が、四姉妹を均等に描いていたように見えた。
どちらを選ぶかとなれば、自分は2019年版を取る。長女のエマ・ワトソンが目を引く他、次女シアーシャ・ローナンと四女フローレンス・ピューの存在感と演技が際立っていた。性格もしっかりと演じきっているように見えた。また、時系列ではなく、未読だと少々混乱するが、ローリーとの三角関係の恋のさや当て、ジョーとベアの最後のラブ・シーンが劇的になっていて、映画として盛り上がりが多い。1995年版のウイノナ・ライダーも目を引くし、長女メグ、三女ベスもそれぞれ美人女優だが、小説により近いのは新版であろう。
両方をすぐに見ると、場面場面の描き方やセリフが微妙に違っていて、面白かった。
心の輝きは決して消えない
マーヴィン・ルロイ版に軍配!
この94年版を観て感じたのは、
49年版のマーヴィン・ルロイ監督作品は
かなり舞台劇調だったこと。
ルロイ版がほぼ主人公の実家での展開に
終始したので、
オルコットの原作は戯曲だったのか
と思った位だ。
ルロイ監督が全てセットで撮影したのは、
元々が舞台劇調を意識して仕上げたため
だったのだろうか。
しかし、この作品はしっかり映画調で、
次女のニューヨークでの教授との成り行きや
旅先のヨーロッパでの四女の恋の成就が
後半にかなりのウェイトをかけて描かれ、
ルロイ版では省かれていたストーリー上の
隙間を埋めてはくれた。
多分に原作に倣い描かれたのだろうか。
しかし、それらはこの話の核心のために
必ずしも外せないものでもなかった
ように私には思える。
ルロイ版では、あたかも舞台劇のような
省略とデフォルメ化を行った分、
四姉妹の個性、そして特に主役である次女の
勝ち気で決断力があって
何事にも本質論に従って行動する資質を
上手く表現していたと思う。
また、この作品では影の薄い
叔母と隣家の資産家の存在感は
作品そのものにメリハリを付けると共に、
それが四姉妹それぞれの性格描写を
更に引き出す媒体として
成功していたように思える。
監督の演出力としてはルロイ監督に
軍配を上げざるを得ないだろう。
それにしても、この「若草物語」の映画化作品
のキネマ旬報ベストテン評価では、
「マイ・フェア・レディ」の
ジョージ・キューカー監督の34年版と
「哀愁」「心の旅路」の
マーヴィン・ルロイ監督の49年版では
共に圏外、
また、この作品も69位との
専門家には低い評価が続いていた。
ところが3年前の
「ストーリー・オブ・マイライフ
/わたしの若草物語」はなんと第4位に選出。
私にとっては
第3の「若草物語」として、「ストーリー…」を
観なければならない物語になってしまった!
心がほんのりする映画
ストーリーオブマイライフを観たので過去の作品も気になって観ました。...
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