「王の僕というより神の僕として離婚は認めない」わが命つきるとも Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
王の僕というより神の僕として離婚は認めない
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総合55点 ( ストーリー:55点|キャスト:60点|演出:60点|ビジュアル:70点|音楽:30点 )
社会はその時々に合わせて価値観が変わるし、何が大事なことなのかも変わっていく。だけど結局主人公のトーマス・モアは、当時の宗教の教義と道徳観に忠実でそれに固執したから立派だったということなのか。
でもそれは悪く言えば私にはただの融通のきかないかちかちの保守派なだけな人物にも映った。もしカソリックという宗教が未来永劫絶対的なものならばそれでいいのだろうが、離婚など絶対に認めないというその教義がそれほど大切というのがそもそも共感できない。そして彼が何故それほどにまで王よりも国家よりもまずカソリックに忠義を示し続けるのかも伝わってこない。ただ終始彼は離婚に反対するだけ。
そんな彼が政争に巻き込まれて陥れられるのは不条理かもしれないが、そんなのよくある話だし彼の融通のきかなさを考えれば仕方がないんじゃないか。やたらと自分の立場を示す演説をかます描き方も悪いのか、そのような主人公に魅力を感じなかった。命を懸けて貫く信念が何か、それはどこからきているのかというものがこの作品には乏しい。とにかく無条件に宗教こそが大事と言う人には理解しやすいのかもしれないが、私には向いていない。
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