「容赦ない直接的な描写が迫力を増す」ワイルドバンチ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
容赦ない直接的な描写が迫力を増す
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総合75点 ( ストーリー:75点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:75点|音楽:70点 )
舞台は1913年というから、すでに飛行機が飛び機関銃が製造され翌年には第一次世界大戦が始まるという近代社会が始まっている時。西部の無法の時代も終わりを迎えようとしている中、時代に取り残された最後の犯罪者たちの生き残りを描く。
映画の製作は1969年と決して新しいものではないが、刺激の少ないこの時代の多くの映画と異なり、残酷な犯罪者が残酷な殺し方を直接的に平気で見せつける。登場人物たちも完全正義なものなどいなくて、強盗をする犯罪者や将軍という地位を使用する極悪人や死体からものを剥ぎ取る小悪人で溢れかえっている。だがそのような容赦ない描写がかえって現実性を高めて、作品の緊張感と質感を高めて視聴者に迫ってくる。
激しい銃撃戦で銃弾を浴びる人物をゆっくりと描くことで、より死を意識させる撮影もこの時代としては斬新。時代から取り残された男たちの滅びの美学も日本人好み。現代から観ても十分楽しめる水準の演出と物語だった。
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