「娯楽の象徴のエロール・ロビン」ロビンフッドの冒険 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
娯楽の象徴のエロール・ロビン
名だたる名優たちが演じてきた中世イングランドの英雄。
エロール・フリンの快活な魅力も相まって、そのイメージを決定付けたと言っても過言ではない。
1938年製作。あの『風と共に去りぬ』の前年。色鮮やかなカラー映像も美しいTHE娯楽活劇。
話はお馴染み。
12世紀のイングランド。兄王不在に乗じて権力を振るう弟王子。民を苦しめる悪政に、民の味方ロビン・フッドが立ち向かう。
昔見たディズニーアニメ版では動物に置き換えられていたが、本作では本来のノルマン人とサクソン人の対立構図を明確に。虐げられるサクソン人の自由と解放、共存や平等がロビンが闘う理由。
弟王子ら一部の権力者にとっては厄介な“悪党”だが、民にとっては正しき象徴のヒーローなのだ。
もう王道も王道の、単純明快、勧善懲悪ストーリー。
あまりに明朗過ぎて、ロビンと森の仲間たちがガイ卿一行を襲撃するシーンなんてドタバタコメディのよう。この明るさ楽しさ、なるほど確かにディズニーアニメになったのも頷ける。
なのでちょっとファミリー向けの感じもあり。カラーを意識したカラフルな衣裳の数々だが、森の仲間皆一緒のパッツパツの緑タイツはダサい…? 後、ロビンのあのおかっぱ頭も…。
緩い点やツッコミ所はあるが、それらを差し引いても、目にも止まらぬ速さの剣さばき、クライマックスの敵味方入り乱れる大合戦、ロビン対ガイなどなど、見せ場たっぷり。
ロビンとマリアンの恋もロマンチックに。二枚目エロール・フリンとオリヴィア・デ・ハヴィランドの美しさが映える。
とことん楽しめる。娯楽映画とはこうあれ。
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