ロープのレビュー・感想・評価
全33件中、21~33件目を表示
さっくりしすぎてる気もする
一言「年長者を侮ることなかれ」
◎よかった点◎
・冒頭から絞殺シーンで始まり、思わずびっくり。
死体を本を入れていたチェストに片付け→パーティーを始める。
はあ?!。ちょっと死体どうすんの?!と思わずツッコミ。
強気の青年と弱気の青年が、この後どうするのか。
とドキドキ。
・シーンが部屋一つ&玄関なので。
会話がポンポン行き交う内容なのが、ちょっと劇風(オリジナルは舞台)。
なので死体が入っているチェスト等、道具にカメラが向いている箇所が目を引く。
・紳士物で他と区別がつきにくいものって、外国でも名前を入れるんだな。
それが今作は「帽子」で、教授が殺人事件に気づく場面。
説明がないから、「あ!」とこちらも気づくのが面白かった。
△いまいちな点△
・正直教授が、青年2人が起こした事件を論破していくのは。
ちょっと強引のような。
80分と短かったけど、1948年作品ってすごいかも。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「パーティーは帰りが寂しい。今夜のような妙な日でもね」
ヒッチコックの野心メラメラ
殺人も芸術 ?!
殺人も芸術だと言ってデイビッドを殺したブランドンとフィリップは、遺体を隠したチェストを食台にしてデイビッドの父親はじめ関係者を招いてパーティーを開いた。ジェームズスチュアート扮するブラックユーモア好きのルパートカデル先生も招かれてパーティーを楽しんでいた。カデルは、何か変なパーティーだと言い始めた。しかし、主役のデイビッドはいつまで経っても現れない。家政婦がパーティーを勝手に片付け始めたりカデルがフィリップを問い詰めたりするくだりはドキドキするね。ましてカデルが忘れ物をしたと戻って来て様子見するからね。ブランドンは学生時代からいたずら好きだったとか昔を知られているし、カデルは推理好きだ。さすがにヒッチコック、ジワッとくるな。
ワンカットじゃないワンシーン
Amazonプライムの激低画質版で鑑賞。
千円以下で売ってる版権切れDVD並みでさすがに申し訳なくなるレベル。
画面が4:3なのはTV映画なのかな?
ワンカット撮影って…まあ気持ちはわかります(緊張や芝居が途切れないとか)が、引き換えに役者やスタッフにかかる負荷を考えたら控えめに言って狂気の沙汰では。
ヒッチコックはまごうことなき銀幕の変態なんでしょうから、まあやりたいと思えば素直に実行するのでしょう。
あまのじゃくな客の立場からすると、大根を白鳥にカットしました! と言われて「イヤ美味しい料理が食べたいだけなんで」と言いたくなるような微妙な自己満足感をおぼえなくもないこともない。
無粋なこと言えばあくまで疑似のワンカットです。安心してください。
途中、人物の背中で画面をワイプアウトさせてます。覚えてるだけで2回は確実。ひょっとしたら3回あったかも。
観てる側からすれば逆に安心したりもする。カメラさんちゃんとお水飲んだ?
もちろん当時はその発想そのものがとっても斬新だったでしょうし、今なおそれが売りになるくらい難しいことだというのは理解できます。
(でも舞台はいつだって一発勝負か…)
内容的にはワンシーン、ワンシチュエーションであればよく、別に無理してワンカットでやる必要はない。
でもさすがは変態、なるべくワンカットでやる意味が出るようにちゃんと逆算して? シナリオが書かれてます。その周到ぶり、単にワンカットやりたかっただけじゃね? と疑う。
ポイントは遺体と凶器。
このサスペンスを強めるにはやっぱワンカットっしょ、と困惑するお偉いさんを前に得意顔のヒッチコックとか。
ただ、今見てもすごく新鮮だったし、ワンカットうんぬんはともかく、撮り方が的確なんでグイグイ引き込まれる。
頭でっかちな青くさい若者2人のシーンで始まり、その硬質な空気を引きずったまんま進んで、やや遅めに主役がバーン! ザ・百戦錬磨! って感じで登場した時の空気の変わり方とか。これぞ演出って感じ。
あとは悔しいけどまるでダンスしてるような演者とカメラの連携が観られるのはやっぱりワンカット(目標)の恩恵かな。。惚れ惚れするー
書き割りかと思った窓外の風景もさりげなくスモークが仕込まれてたり、時間経過によって光が変化したり、ちゃんと計算されたミニチュアだっていうのにも愛を感じる。
とびきりよくできた話とかじゃないけど(後から考えるとアラはある的な意味で)とにかく演出が的確だし短いので最後まで途切れず一気に行ける。
なにも知らずにうっかりTVでこんなのに遭遇した人はなんて幸運なんだろう、と妬ましくなりました。
ワンカット風の密室サスペンス。
『ロープ』鑑賞。
*主演*
ジェームズ・スチュワート
*感想*
久々のヒッチコック作品。この作品はワンカットワンシーンの手法で進行していて、それだけでも面白いです。映像ではワンカットですが、途中真っ暗になる部分があったので、ワンカット風かな?
二人の男性が友人をロープで絞殺して、スリルを味わう為に犯行現場でパーティーを開くというお話。
舞台がアパートの一室だけなので、かなり地味ですが、途中から現れる教授がまるで探偵のように鋭く指摘するところや、ブランドンとフィリップの呆れた動機、人間関係までも描いてるし、まぁまぁ面白かったです。(^^)
ヒッチコックの代表的な傑作
何度も見直すべき映画だ!
・秀逸なワンカット
・完全なる一室でのストーリー展開
・観客の恐怖心を煽るさりげないカット
・犯人2人の関係性
・犯人の異常性
よくこの時間でこれだけの要素をうまくまとめたなあ。
無駄な登場人物がひとりもいない。
実際の事件と同時間分で、これだけ魅せられるのはさすがヒッチコック。
犯人が最初からわかっている、これぞまさに仕掛けられた時限爆弾。
サプライズを見事にサスペンスにしている。
そしてヒッチコック映画の好きな点。犯人の異常性。
今回の犯人って2人とも少しおかしい。
まず主導のほう、自分には人を殺す権利があるみたいな言い分って、恐ろしく怖い勘違いじゃないです??途中、招待客と言い合いになるけど、本当にこれだけの事件で描くには重すぎる題材なのにさらっと挟んできているあたり、相当深い…
そして共謀のほう。
こちらはもうばればれなくらい動揺していて、何故この人物を共犯に選んだのかと思うんだけど、よく観ていくと、ふたりの関係性も少し変わっていて、完全に立場が出来上がっているし、友情とは少し違った結びつきを感じる。
物語はその点に言及していないしね。
ワンカットもさることながら、この部屋の構図、窓から見える景色もすごい。
何度も観たい、見逃せない一本でありました。
裏窓に繋がっていく習作と言うべき作品だ
ジェームス・スチュワードは主演ではなく、どちらかといえば助演に過ぎない
重要な役ではあるが主演はやはり主犯役の若い俳優になる
犯人の若い男二人の関係性はホモセクシャルな微かな香りを漂わせている
ヒッチコックはそこまで考えて撮影している
よってヒロインは登場してもリリーフ程度で、単なる付け合わせ
ブロンドでもなくブルネットですぐに退場する
ワンシーンをワンカットで撮影して映画にする
最近、邦画「カメラを止めるな!」が同じ手法で37分ワンカットで撮ったことで話題になっていたが、もちろん本作がその手法の元ネタになる
本作は全編80分がワンカットだ
実験的要素が強く映画としてはどうか
それが映画として面白く成功しているかというと疑問だ
裏窓に繋がっていく習作と言うべき作品だ
ヒッチコック作品好き
楽に見られる
密室だけですべての話が進むのは好きです。
どうやってバレるんだろうと、考えながら
調子良く進んでいくので楽しかったですが、
特に何もなかったのは残念でした。
ラストの静かな終わり方はわたしにはすきでした。
素晴らしい試み
カルトな犯人たちの殺人ゲーム
総合:65点
ストーリー: 65
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 60
音楽: 60
ちょっと変わった犯人たちや動機だと思ったら、実話が元になっているらしい。カルト的な彼らの行動とその裏にある幼稚さが出ていて面白い。勝手に優越感を感じる一方でそれが実は実践に裏打ちされていない自分勝手な思い上がりであること。それに気づかず現実離れした妄想の中に生きて好き勝手な行動に走る姿に危険さを感じる。その一方で見るからに危うさが目立つ幼い計画は完全犯罪とは程遠く、すぐに破綻を迎えるであろう犯人たちの結末が見えて、それは社会の安定という立場から見て彼らがすぐに排除されるだろうという安心感もある。
映画と実話はかなり違うようで、共通しているのは犯人たちの性格と背景くらいらしい。映画の中でジェームズ・スチュワートが不用意に一人で彼らのいる部屋に戻るのが物語として気になった。実際犯人らは銃を用意して最悪の場合はジェームズ・スチュワートを口封じのために殺す準備もしていた。一人を優越感のために殺した犯人たちがもう一人を殺すこともあり得たわけで、犯人たちがスチュワートからちょっと圧力を感じて焦っただけで用意した銃を簡単に渡したうえに抵抗もせず降伏とはあっさりしすぎ。先ほどまでの優越感はどこにいった、なぜそんなに簡単に降参するのかと疑問に感じた。でも元々が裏づけのない優越感だから、一度崩れだすと自信が崩壊するのも早いのかな。
全33件中、21~33件目を表示