老人と海(1958)のレビュー・感想・評価
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文豪ヘミングウェイ原作。若き時読んだ…はず。その時も正直あまり面白...
原作からしてそうだが、漁師の話では無い。『キリマンジャロの雪』もそ...
原作からしてそうだが、漁師の話では無い。『キリマンジャロの雪』もそうだが、ハンターの話。つまり、裕福な中産階級がスポーツとして興じる釣を描いた話。釣りバカ日誌と同程度の話。何故、この話がノーベル賞を取ったのか分からない。場所がキーウェストだけに、鮫をキューバに見立てて、コミュニストに果敢に戦いを挑む老兵って事か?いずれにしろ、本当に知恵のある漁師なら、カジキマグロなんて釣らない。『釣ってお金にしたい』と言った願望があるのだ。生活のために釣りをするなら、カツオもシイラも取れる。
さて、カジキマグロは糸をたらしただけで釣れるのか?トローリングや突きん棒で釣ると記憶する。
ヘミングウェイは釣りをしたことあるのかなぁ?と思った。彼はハンターでも漁師でもなく、小説家だからね。仕方ないが、ノーベル賞を取る様な作品なのだから、やはり、取材をすべきだったのではないかと思う。
映画は駄作そのもの。CGではないが、クロマキー合成丸出し。最後はオブジェまで登場。スペンサートレーシーもやる気の無い演技丸出し。
原作本の読書で浸るべき世界だったのかな…
何十年ぶりかで、NHK「100分で名著」の
ヘミングウェイスペシャルを
視聴した関係で原作を読み再鑑賞した。
ジョン・スタージェス監督には
「荒野の七人」や「大脱走」等、
西部劇を中心にたくさんのアクション映画を
堪能させて頂いた。
だからこの映画が彼の監督作品とは
意外な感じを受ける。
映像美と名優スペンサー・トレーシーの演技
に支えられ、キネマ旬報では洋画第3位の
高評価を受けた作品だが、
私にはなかなか没入しきれなかった作品だ。
映像的には、
当時の最先端の合成技術で
ロケとスタジオ撮影分を上手く融合させて
いるのだと思う。
しかし、現代のCGの時代を上廻って
この作品の映像価値があるとしたら、
なんとか頑張って全ての海上シーンを
ロケ撮影すべきところだったのだろうが、
そうは出来なかった結果、残念ながら
現代のCG作品に負けてしまうのは必然だ。
また、基本的にほぼ一人しか登場しない物語
の映像化は難しかったのだろうと感じる。
原作をなぞるようなナレーションの多用は
原作そのものを上廻れないことを示している
ようで映画への没入感の阻害になるし、
一人主人公の独り言は小説では
違和感はないが映像の中では
リアリティを奪ってしまう。
映像芸術として、例えば、
主人公とカジキの心の交流については、
折角の名優のキャスティングなのだから、
言葉ではなくサメに食われていくカジキに
主人公の表情で寄り添う等の演出を
期待したかったのだが、
私には、どうしても原作を上廻ることの
出来ない映画化であることを
証明しているようにも感じられた。
この物語は総じて、
それほど長くもないので、
原作本の読書で浸るべき世界だったのかな
と思った。
原作に忠実だが、映像と演出は古い
総合:60点 ( ストーリー:80点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:60点|音楽:65点 )
作品は物語を語る語り手がいて、まるで原作の上に映像を乗っけた紙芝居のよう。原作はだいぶん昔に読んだだけだが、内容も原作に忠実。「ヘミングウェイも作品に助言を与えた」とこのウエブに書いてあり、そういえば本人がまだこの作品撮影中当時は生きていたのだ。
主人公はサンチャゴという名前だから勝手に混血か何かだとこの作品を観るまで思っていたが、白人のスペンサー・トレイシーが演じていてどうやら白人の設定だったようだ。個人的にはキーウエスト島にあるヘミングウェイがかつて住んでカジキ釣りに興じていて今は記念館となった家を訪問したことがあり、思い入れのある作品である。
映画のほうだが、古い作品でも天然色であるのは頑張っているが、古さ故に残念ながら映像は何かと迫力に欠ける。演出も魚たちとの格闘と老人の疲労を描き切れているとは言えない。映画というよりも、映像付き原作という程度の水準に止まっている。
ライオンの夢を見ながら眠りにつく老人。こういう老後もいいかもしれない
原作読了前提
カジキマグロの目玉
文芸作品映画化の典型
老人と少年とライオンと
人生観の種になった映画
小説の映画化は難しい。読者の感性は様々だから具体的な映像、人物を見せられると好き嫌いが出てしまう。そんな思いのなか、初めて映画が原作を越えたと思えた作品である。まるで物語を読むようにナレーションとモノローグで話は進んで行く、老人(スペンサー・トレーシー)も良いがカフェに集う名もない漁師たちの顔々が素晴らしい。海も魚も鳥も・・、全てがあるがままに映される。
若かりし頃、印象に残ったのは何も知らない観光客が骨ばかりになった巨大カジキを観ているシーンだった。
「あんなに頑張ったのに、あんなにつらかったのに・・・」先生は努力すれば報われると言っているのに、やっと手に入れたご褒美を無情にもサメに奪われてしまう、そんな物語など世間の人は知る由もない・・・。
精根尽きた老人、それでも優しく励まし寄り添ってくれる少年がいる。「幸せになれますように・・」と祈らずにはいられなかった。
その後の人生観の種をもらえたような作品である。
美しいカリブ海の映像を楽しむしかない
原作の映画化において、映像によって何かの価値が増したかというと疑問符しかない
美しいカリブ海の映像だけが救いではある
燃えるような朝焼けの空は心に残る
反面、脳裏に描いた光景がこうであると枠をはめられるだけのようにも思える
文芸作品の映画化は監督と脚本家の翻案がどこまでできるかが、やはり鍵なのだろう
本作はノーベル文学賞の作家の作品だけに特に難しい
何一つさわれなければ本作のようになってしまうしかない
当初の監督ジンネマン監督が降板してしまった理由はそこなのかも知れない
アクション映画がお得意の畑違いのジョン・スタージェス監督にお鉢がわまってきて、緊急登板で撮らされたのだから、この結果を非難するのは可哀想だろう
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