恋愛日記

劇場公開日:

解説

女性を愛し崇拝してやまなかった男性の女性遍歴を描く。製作・監督は「アデルの恋の物語」のフランソワ・トリュフォー、脚本はフランソワ・トリュフォー、ミシェル・フェルモー、シュザンヌ・シフマン、撮影はネストール・アルメンドロス、音楽はモーリス・ジョーベール、録音はミシェル・ローラン、編集はマルティーヌ・バラーク・キュリー、衣裳はモニーク・デュリー、装置はジャン・ピエール・コユ・スヴェルコが各々担当。出演はシャルル・デネール、ブリジット・フォッセー、ネリー・ボルジョー、ジュヌヴィエーヴ・フォンタネル、ナタリー・バイ、サビーヌ・グラセール、ヴァレリー・ボニエ、マルティーヌ・シャサン、ロゼリーヌ・プヨー、レスリー・キャロンなど。

1977年製作/フランス
原題または英題:L'Homme Qui Aimait Les Femmes
配給:ユナイト
劇場公開日:1978年2月25日

ストーリー

南フランスのモンペリエは閑静な都市。そしてその郊外の墓地では、今しも葬送のセレモニーがはじまろうとしている。しかも奇妙なことに会葬者はすべて女。そして故人の名はベルトラン(シャルル・デネール)、一体何が、彼と女達の間にあったのだろうか……。彼、つまりベルトランは流体力学研究所というカタイところに勤める40歳の独身男。いかついマスクでハンサムには程遠い。ところが、この男、変な性癖を持っていた。女だ。ブロンド、赤毛、大柄、小柄、グラマー、スリム、色白、浅黒、OL、人妻……、この世の女に身も世もないベルトラン。といっても別に彼は、痴漢や変質者ではない。彼女達との恋のゲームを唯一の楽しみとしており、彼にとっての女のチャームポイントは脚線美。こうしてベルトランは日夜、モンペリエの町に女性を求めていた。今日もマルティーヌ(ナタリー・バイ)というOLを見つけ攻略し、又、ランジェリー・ショップの41歳の成熟女エレーヌ(ジュヌヴィエーヴ・フォンタネル)にはKOのベルトラン。彼も100%OKというわけではないのだ。でも、まあ平均すればいい方な彼の戦果は、デパートで見つけたブロンド、映画館の暗闇の人妻……。そして彼は、これら万華鏡のような女達との交渉を1冊のノートに書いていた。女の世界を再構成していくのだ。でも、人妻デルフィーヌ(ネリー・ボルジョー)との火遊びは度をすぎ、彼女は夫を撃って獄につながれ、彼は誰かに下の病気をうつされてしまった。そうこうしているうちに、「漁色家」と題する彼の原稿は出来、ある出版社で本になることになる。そのため、彼はパリに向かった。女性編集者のジュヌヴィエーヴ(ブリジット・フォッセー)は、本のタイトルを「女達を愛した男」と変えるように進めた。そして、ベルトランが昔パリ時代の別れた愛人ベラ(レスリー・キャロン)との感慨深い再会を果したのは、この時だった。一方、彼とジュヌヴィエーヴとは、出版の関係でその後、時々逢うようこなり、やがて結ばれる。そしてクリスマスの夜。ベルトランは、ジュヌヴィエーヴと連絡がとれなかったため、いつものように夜のモンペリエにハントに出かけた。だが、向かい側の通りの2人連れに目をうばわれ、車線を横切った瞬間、ベルトランの身体はボンネットに乗り上げ、凄い衝撃で舗道にたたきつけられた。彼は一命はとりとめたものの、病院で身動き出来ない状態だ。でも看護婦が抜群の脚線美だったため、彼の悲劇がはじまった。もうじっとは、していられない。でも身体を動かすと……。今、ベルトランの葬儀が女達に囲まれ行なわれている--。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

3.5トリュフォー監督の個人的女性美讃歌の告白映画

2021年10月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

既にフランス映画界を支える名匠になったフランソワ・トリュフォーが、自由に衒いなく映画を作り楽しんでいる。ここ数年の代表作に挙げられる傑作と比較しては決して質的に高くは無いが、トリュフォー監督の本音が分かり易く描かれている点で実に面白い映像作品だった。個人的な女性美讃歌を突き詰めたトリュフォー監督の正直な告白映画と言えよう。 主人公の男は、女性の美しい脚を求めて、それが唯一の生き甲斐のように追求する女たらしである。女性に対して常に優しく親切であり、その点だけ見れば好人物と言える。ただ、本人が意識しないところで、涙ぐましい努力を続けるのが病的に見えて痛々しく、同じ男性としては同情してしまう。それでもトリュフォー監督は彼の生き方を肯定し、最期は命まで捧げる純粋さを表現するのだ。 映画の導入部は、主人公の葬儀シーンから始まる。参列者の女性たちがぞろぞろとお墓に急いでいる。それを訝し気に観ているひとりの紳士が、監督トリュフォー自身なのだ。これは、ヒッチコック監督を敬愛するトリュフォー流映画の楽しみ方。 女、女、女のフランソワ・トリュフォー監督のフランス映画らしい作品。ラストの映像と音楽の使い方にトリュフォー監督のセンスが窺われる。男の幸せとは、真似は出来ないが参考のひとつにはなるかも知れない。   1978年 9月6日   高田馬場パール座

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Gustav

他のユーザーは「恋愛日記」以外にこんな作品をCheck-inしています。