「序盤からよく分からない展開が続く」恋愛小説家 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
序盤からよく分からない展開が続く
ジャック・ニコルソン演じるメルビンの知人の画家が唐突に男に襲われて大怪我を負ったり、その画家と関わりのある黒人の画商が、画家の犬をダストシュートに捨てた貸しがあるといって無理矢理押し付けてくるのを、なぜか受け取ってしまう。もうこの辺からよく分からない。メルビンの通うレストランのただのウェイトレスと恋愛関係になるのもよく分からない。互いの具体的にどういうところが好きで、なぜ恋愛関係になるのか。
途中でウェイトレスの息子が急病だというエピソードが唐突に挟まれて、メルビンは搬送を手伝う。そしたらその礼ということで夜中にメルビンの家をヒロインがわざわざ訪ねてくる行動もよく分からない。
なんというか、全てのエピソードが、メルビンとヒロインと知人の画家を結びつけるためだけに無理矢理挿入した感のあるよく分からない展開で、面白くなかった。唯一良いところはジャック・ニコルソンの存在感と、居るだけで何となく面白い雰囲気が出るところだな。
ストーリーとメルビンの人物設定は日本のドラマの『結婚できない男』に似ている。これは、主人公の偏屈で一見腹の立つ言動が多いけど、その言葉とは裏腹に他者に対する思いやりがあったり、ヒロインの女医との会話が笑いに富んでいたり、仕事に誇りを持っていたりと、隠れた魅力的な面を持っている男のラブコメだから、ヒロインと恋愛関係になるのもわかる。今作にはそういうものは感じない。
ジャック・ニコルソンが主演だから期待したけど、いまいちだった。
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