レッド・サンのレビュー・感想・評価
全9件を表示
タイトルなし(ネタバレ)
日米修好通商条約が結ばれたころの米国西部。
日本国大使を乗せて首都に向かう列車が強盗に襲撃される。
乗客から金品を強奪し、郵便列車から多額の金貨を奪い、帰りがけの駄賃とばかりに日本国大使から大統領への献上品・金の宝刀まで奪う。
首魁はリンク(チャールズ・ブロンソン)。
だが、彼は相棒のゴーシュ(アラン・ドロン)に裏切られ、金貨も宝刀も持ち逃げされてしまう。
日本国大使から献上品の宝刀を取り戻す命を受けた随行の武士・黒田重兵衛(三船敏郎)は、ゴーシュの逃げ先を知っているというリンクとともに荒野の追跡行に赴く・・・
といった内容。
かつて度々テレビ放映されていたが未見なのは、「西部劇に侍? なんだかイカモノだなぁ」と子供心に思ったからだが、今回はじめて鑑賞しての感想は、「盛り沢山な内容はサービス精神の表れ」ということ。
70年代の娯楽作。
三大スターの顔合わせに、中盤以降は男勝りのウルスラ・アンドレスが花を添える(彼女がビリングの2番目。トップはブロンソン)。
前半はリンクと黒田の徒歩での追跡行が中心で、疑心暗鬼と文化価値の相違などで息抜きシーンとなっていて、近年のアクションつるべ打ちのエンタテインメント作を見慣れた観客には、少々まどろっこしく感じられるかもしれない。
ウルスラ・アンドレスが登場した後には、アメリカン・ネイティブのコマンチ族の襲撃なども展開し、これでもかこれでもかのサービス精神てんこ盛り。
三船敏郎が押し出しもよく最もスターらしい演技、ブロンソンはユーモアも兼ね備えての芸達者ぶり、ドロンは珍しく憎々しい悪役をそれぞれ演じ、三大スターのバランスも良い。
アンリ・アルカンの撮影、モーリス・ジャールの音楽も堂々としており、素晴らしい。
観ていてストレスのかからない娯楽作品でした。
70年代西部劇
三連休の中日に「映画でもみるか」とWebサイトを見ていたら目についたので見にいく事に。「何故今この映画なのか?アランドロン懐古か?」などと考えつつ鑑賞したが、正直、この役ではわざわざアランドロンである必要はなかったと思う。もちろん格好いいのだが、役が唯の悪役で、アランドロンが出てくるまでもない。せめて最後は三船敏郎やブロンソンと心を通じて潔く去っていくストーリーであったらアランドロンが演じる価値はあったかと思う。三船敏郎は、二人の大スター前に動じる事なくサムライを演じて日本人俳優の格好良さを見せてくれている。また三船敏郎が武士道を語るシーンが何箇所かあるが、そのうちのひとつに「これから日本も変わる。武士はなくなり、代わりに漁師や農民になる」とブロンソンに嘆くシーンがある。今の時代においてみると、道徳観や倫理観が薄れていくのを嘆いているように感じた。必ずしも西部劇で必要なセリフとは思わなかったが、これは真の日本のサムライを海外に伝えていくためのものであったのか?一方ブロンソンは、今見てもその男臭さが格好いい。自分が子供の頃に見た、男臭くて腕っぷしが強くてキザという、70年代の格好いい男の典型である。男臭くて格好いいという表現は適切でないのかもしれないが、それでも格好いいものは格好いい。映画のストーリーとしては、アクションシーン多くあり、ガンシーンあり、刀のシーンあり、荒野を颯爽と馬でかけるシーンあり、男の友情あり、難しい話なし、で素直に楽しめる映画だと思う。50年前の映画が映画館の大スクリーンで楽しめた事に大変感謝しています。
男の背中
今週末、再鑑賞しようと思ってます。
リアリティの部分で色々言われる事はあると思う、この映画。
もうそんな事は気にせずに、アラン・ドロンの美貌、三船敏郎の剣技、チャールズ・ブロンソンの漢気を堪能しましょう。
ラスト、サムライ三船との男の約束を守る為、宝刀を電線かなんかにぶら下げて去っていくブロンソンの男の背中よ。
チョーカッコいいから。うーん、マンダム。
男泣きとはこの事。刮目して見よ!
必見!ドロン、ブロンソン、三船敏郎、世界三大スター世紀の競演!田中浩も出てた!ガンマンと日本の侍、束の間の男の友情が泣かせるぜ
お正月らしい「レッド・サン」です!
アラン・ドロン、チャールズ・ブロンソン、三船敏郎、世界の三大スター世紀の競演!
中村哲は兎も角、田中浩も出てた!すごい!
でも、クレジット順では、初代ボンド・ガール、ウルスラ・アンドレスの次だった!なんてこった!
「007」のテレンス・ヤング監督、「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」のモーリス・ジャール(「クライシス2050」「落陽」もだけど…)が音楽、と一級品。
ドロンは非情な殺し屋風の悪党ガンマンで仲間を裏切る。
ブロンソンは復讐と強奪金ダッシュのため、三船は奪われた刀を取り戻すためにバディを組んで、ドロンを追う。
この道中で、バディムービーならではの、衝突、そしてほのかな友情が芽生える。
三船は一流の武士で英語も堪能、武術でブロンソンを投げ飛ばす。
ブロンソンはもっぱら受けにまわって、三船、ドロンを立ててます。
中でも、三船敏郎は、クライマックスで一気にさらってしまうイイ役でした。
ブロンソンも、力の抜け具合がいい感じで、ユーモラスで人情味のある演技を披露。
しかし、ドロンは今一つ。
表層的なイケメン裏切りガンマンで、良く引き受けたなあと個人的には思いました。
内容面では、1971年の外国映画で、正確な日本描写、日本語、武士の所作、武士道を描いていたのは凄い!
ちゃんと武士・日本をリスペクトしていて偉い。
この頃、1967年「007は二度死ぬ」はまだいい方ですが、1975年「ピンクパンサー2」カトーみたいな日本と中国をごっちゃにしていたような時代に、日本をきちんと描いてくれて素晴らしい。
ガンマンと日本の侍の束の間の男の友情が泣かせるぜ!
世界の三船
職場の方が面白いよと言って貸してくれた、若かり頃の三船敏郎、アラン・ドロン、チャールズ・ブロンソンが出演している1971年の映画「レッド・サン」を鑑賞しました。
物語の内容としては、日米修好のための任務を帯びた日本の武士一行は、大統領に会うため特別列車に乗り向かっていた。その列車が、強盗団に襲われ大統領に贈るための宝剣を奪われてしまう。
その宝剣を取り返す使命を言い渡された黒田重兵衛(三船敏郎)は、強盗団の仲間に裏切られたリック(チャールズ・ブロンソン)と共に、宝刀を持ち去った強盗団のボスであるゴーシュ(アラン・ドロン)への復讐を果たすため二人で荒野を行くという物語。
ゴーシュの下へ向っている重兵衛とリックが、徐々に友情を育んでいく姿がとても良かった。またアクションシーンも、思ってた以上に良い感じで仕上がっていました。
ラストでは、まさか黒田重兵衛が亡くなるとは思ってもみませんでしたが、宝剣を黒田がリックに託すシーンは、男同士の熱い友情を感じ胸にジーンときました。
三大スター揃い踏み!
Blu-ray(デジタル・リマスター版)で久しぶりの鑑賞(吹替)。
三大スターが豪華共演を果たした奇跡の作品。正直名作とは言い難いが、この面子がひとつの画面に収まっているだけで興奮したし、映画遺産的な価値が充分にあると思った。
海外の大スターと対等、もしくはそれ以上の存在感を放っていた三船敏郎は紛れも無く日本を代表するスターである。
チャールズ・ブロンソンと友情を育んでいく過程がとても面白かったし、クライマックスのアクションも絶品だった。
まさか死ぬとは思わなかったが、ようやく奪還した刀をブロンソンに託すところに男同士の絆を感じ、うるっと来た。
※修正(2025/01/12)
侍が『母犬の息子』とは言わない
金のかかったB級映画。
チャールズ・ブロンソンもアラン・ドロンもアメリカのハリウッドの映画市場では、B級スターである。勿論、テレンス・ヤングも上海生まれの多分ヨーロッパ人。純粋にハリウッドで三船敏郎さんと共演できるのは、チャールトン・ヘストンとかウィリアム・ホールデンとかだろう。少なくとも、ユル・ブリンナーだと思う。つまり、世界の三船の名を借りたB級映画と言う事だ。
アラン・ドロンの出番が少なかったのは、アラン・ドロンが馬に乗れないからだと思う。アラン・ドロンならば、ジャン・ポール・ベルモンドで、ブロンソンなら、スティーブ・マックイーンだったら、少しはましな映画になっていたと思う。脱亜入欧の日本人の変な所だ。この映画で世界の三船と言わないでもらいたい。彼には『羅生門』があるし『蜘蛛巣城』もあるし『七人の侍』もある。
アラン・ドロンもチャールズ・ブロンソンも一発屋若しくは『B級俳優』だと思うが。
侍が『母犬の息子』とは言わないと思うが。
すばらしかった
三船敏郎とブロンソンの関係が気持ちいい。アラン・ドロンの悪者ぶりも最高で、すっごく面白い。特に日本人や侍をかっこよく描いてくれていて感激する。売春宿で三船がためらわずに女を抱いているのがかっこいい。
侍・ウェスタン?
マカロニ・ウェスタンがあるなら「うどん」でも?、いや侍・ウェスタンがあってもと頭で言い聞かせるも無理がある、いかに剣の達人でも飛び道具相手では勝負にならない・・。
そこで考えたのが敵をインディアンにして槍との殺陣で本領発揮、加えて弓、手裏剣なども駆使、乗馬はおてのもの、巧みに荒れ地を下って見せるときましたか。
数々の黒澤作品で既に海外にも名の知れた俳優だった三船敏郎だがハリウッドデビュー作「グランプリ」で破格のギャラ(東宝では600万円だったがなんと1億円)に味を占め三船プロの方から企画を持ちかけたという海外進出2作目の作品。
奇抜なストーリーもさることながらアラン・ドロン、チャールズ・ブロンソンと言う豪華スター競演というだけでも話題性は十分、外国人の描く日本人のイメージは噴飯ものが多い中、切腹でもしたらどうしようとハラハラしながら観ていましたが流石に三船さん、毅然と武士道を全うしてくれました。余計な気を使うので餅は餅屋に任せた純西部劇でいいでしょう。
全9件を表示