レッド・サンのレビュー・感想・評価
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やっぱりブロンソン
どうしても、50代以上は思い入れで観てしまうのはしょうがないとして、オレは高校生のころは漁るように映画を観てたが、ドロン、三船は関心の対象ではなかったので正直、今もその名前に踊らされることはない。
が、ブロンソンはオレにとってかなり事情が違う。
ブロンソンの映画は、高校生当時観ることができるものはかなり観てきた。きっかけはやはり、映画館でリアルに観た作品。「特攻サンダーボルト作戦」、「スーパーマグナム」がそれにあたるが、彼のキャリアからすれば、公開延期のTV映画を10年越しで日本劇場公開した「特攻..」はともかく、後期の作品。
もっというと、「スーパーマグナム」は「ナインハーフ」の同時上映で明らかにシモの事情でタマタマ見ただけに過ぎなかったが、立ち位置としては、スライ、ノリスの「アクション枠」の大先輩という認識だった。「スーパーマグナム」は実際は完全にじじいのヌルい映画だったが、「ナインハーフ」のおかげか、そこからブロンソンの映画をビデオレンタルしまくった思い出がある。
イーストウッドやレイノルズももちろん現役だったが、「シティヒート」を観てしまったために、ケツの青い高校生のオレは脱落。イーストウッドは「ルーキー」や「ハートブレイク・リッジ」などあったけど、中期(70-80年代)の映画は、テレビでばっかり流れていたせいか、「映画スター」とは思ってなく、むしろ嫌いだった。(イーストウッドの映画が今もあんまり好きではない理由はその辺もある)。レイノルズは当時は、「高校生が喜んでみるような」映画スターではなかったし、「キャノンボール」は当然ジャッキーしか目に入らないころである。
高校生のガキがブロンソンの良さなんて、アクションスターというくくりの程度で、「マンダム」のCMも知らないことはないが、リアルタイムではないし、もちろん、彼の作品を全部見てはいないし、全部の作品が好きでは決してない。
レッドサン
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世界三大スター共演、とあるが、ブロンソンは「アメリカ人」ではあるが、ヨーロッパ映画で名を馳せたスターであり、米代表、ということではない。個人的に「ウエスタン」、「狼の挽歌」が大好きだが、これらはイタリア映画(合作)だ。アメリカで認知が高まったのは、「狼よさらば」のヒットによる。
イーストウッドも70年代までは、ほぼ同じような経歴だが、その後の身の振りようはご存じの通り。一方のブロンソンは「狼よさらば」のヒットのため、結果晩節を汚すようなキャリアになってしまったが、後年ビジランテもののフォロワーや、ニコラス・ウェンディング・レフンの「ブロンソン」など、彼の偉業を評価、不運な後年を惜しむ映画人、文化人はタランティーノはじめ多い。
そんなオレが今惹きつける彼の魅力は何か?オレは一番は「人懐っこさ」と「チャーミング」な風貌と笑顔だと思っている。彼の役どころの舞台は、西部、暗黒街、犯罪都市と非情な世界。ぶっきらぼうにふるまう一方、時折見せるチャーミングな笑み。ぶっきらぼうな風貌とアメリカ原住民に間違われる顔立ちのため、その良さが評価されず、役の幅が広がらなかったのは非常に悲しいが、その歴史を含めても彼の魅力だ。もうひとつ、彼のセリフとその声がマッチしている上に、そこにたたずまい、手の動き、顔の動きといった所作がリアルであり、かつ惹きつけられるほどに魅力的。「さらば友よ」のラストは言うに及ばず「演技派」であることがみてとれることだ。
本作三船とのラブラブなロードムービー(by馬)な道中において、(本作、馬映画でもある)その魅力が満載。ロードムービーものでは、「スケアクロウ」や「ミッドナイト・ラン」に並ぶ名コンビだが、その旅が終わらなければいいのに、と思うほど、いつまでも観ていられるのはこの二人ぐらいかも。(そして、たいていのロードムービーと同様、終着点で映画のテンションは落ちる)
三船もステレオタイプな真面目な侍を力の入れようと抜きようをバランスよく演じており、娼館の女主人が彼を見て、十字を切るところなど、最高に笑える(いわゆる、「笑われる、馬鹿にされる」ような演出では決してない)。ドロンも薄情な役がよく似合っている。(この人は結構引き立て役に回る、わきまえているところが、「スター」といして異色。)
冒頭の列車強盗のアクション、爆破シーン、崖から転がり落ちるシーンも「あぶねえな」と思うほどの迫力は、「戦争体験者」による製作、当時のモラルならでは、と娯楽大作として楽しむべき。
そして本作のユルさにモーリス・ジャールの劇伴はよくあっている。カメラもロングショットが決まっており、レオーネに対抗してか、極端なクローズアップが少ないのも暑苦しくなくていい。
ラストもコイントスに意味なんてなくて「照れ隠し」に見えることもブロンソンならでは。とても素晴らしい。
とはいえ、クライマックスのコマンチ族との銃撃戦は物語上、無駄。見せ場と(当時の)「敵」を作りたかった事情は分からなくはないが。
また、三船がドロンを後ろから斬りかかろうとするのは非常に残念なマイナス。
追記
前述の「狼よさらば」リメイクのウィリス。「メカニック」リメイクのステイサム。あえて言うなら、後継者はステイサムかな。ステイサムも笑顔がかわいい。
追記2
こないだ、ブロンソンだ!と思ったら、ひげを生やして麻雀をしている萩原聖人だった。
ツッコミどころ満載のサムライ・マカロニ・ウェスタン
新年の「初笑い」はこの映画から——。というわけで初めて観ました『レッド・サン』。
いやぁ、テレンス・ヤング監督のことだから、いちおう「アクション+ちょいエロ」の建て付けになってはいるんですが、ウワサにたがわぬツッコミどころ満載の一作でしたね。でも案外楽しみました。
まず、フランス・イタリア・スペイン合作による本作を一言でくくると、ずばり「サムライ・マカロニ・ウェスタン」(見たそのまんまやんか)。
本作初公開の前年(1970年)に封切られたドン・シーゲル監督の『真昼の死闘』が、やはりメキシコを舞台にフランス軍と戦うという風変わりなウェスタンだったので、西部劇斜陽の当時こうした奇手が流行っていたのかも、と思ったりして。
で、本作の時代設定は「1870年」ですが、江戸幕府による万延元年遣米使節派遣が1860年、大政奉還が1867年ですから、そのあたりは「よきにはからえ」といった感じでしょうか。
アメリカ大西部とは明らかにちがう、灰色岩だらけの殺伐とした荒野を馬で駆け巡るさまはまるで『隠し砦の三悪人』みたいだし、蒸気機関車が出てきたり、イーストウッドばりの早撃ちで無法者たちがバタバタ倒れたりするのは『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』のよう。
そんな本作最大の目玉が「三大スター競演」。ちなみにチャールズ・ブロンソンは公称身長174cmで封切当時50歳。同じく三船敏郎は身長172cmで51歳。アラン・ドロンが身長178cmで36歳——なるほど、悪役のアラン・ドロンはともかく、バディを組んだ世界のミフネとブロンソンは年齢・身長ともに近く、互いに見劣りしないですね。
ちなみに女優陣もなかなか「豪華」で、ウルスラ・アンドレス、モニカ・ランドールがそれぞれ「ぽろり要員」その1・その2。そのほかキャプシーヌなんかもチョイ役で出てきます。
さてここで、気になった数々の迷場面、珍プレー(?!)を以下順不同で挙げておきます。
1.
なんといっても一番の衝撃は、ブロンソンと共に野宿する羽目になったミフネが、やおら竹皮包みのおにぎり弁当を広げて箸で食べるシーン。瞬間目視したかぎりでは、おにぎり三種(海苔むすび、混ぜご飯にぎり、おかか醤油むすび)×数個づつに加え、たくわん、メザシ、厚焼き玉子のおかずといった豪華ラインナップ。質・量とも大変ボリューミーなこの弁当、一体どこに隠し持っていたのでしょう?
しかも翌日、ブロンソンに逃げられたミフネが一人で再び野宿していると、またしても、どこからか豪華おむすび弁当が出現。ミフネの着物の懐は「ふしぎなポケット」? 叩けばおむすびが無限に出てくるのか??
ちなみに、弁当を分けてもらったブロンソンはメザシに鼻を近づけ、うぇっ、と顔をしかめてポイポイ捨てていました。このバチ当たりめ!
2.
ミフネとブロンソンの喧嘩シーンで、ミフネの連続背負い投げをくらってボコボコにされたブロンソンが、ぽつりと一言「今日はこのくらいにしといたるわ」的なセリフを吐きますが、これって池乃めだかのギャグちゃうねん?
3.
ミフネが手裏剣みたいにポンポン投げる小柄小刀(こづかこがたな)。あれって通常、太刀の鞘に1本のみ装着されているものだと思いますが、彼は常に何十本も懐に忍ばせているのです。
4.
ミフネがやたらと太刀で突き(刺突)を連発して、敵の身体からドババと血が噴き出すのは、一種の「観客サービス」だと思いました。またミフネが娼館で美女と一夜を過ごすのも、おそらく同じ理由からですよね。でも、そうするとミフネが、雪山でたまたま見つけた露天温泉に突如ふんどし一丁で入浴するシーンはいったい誰得?
5.
ブロンソンは、瀕死のミフネから「全権大使に返却を頼む」と託された備前守の脇差を、ミフネの墓に立てた十字架の“横棒”としてあっさり使っちゃいます(ちなみに“縦棒”はミフネ自身の太刀)。ここはひとつ、『七人の侍』を見倣って土饅頭に刀を突きたてるくらいのことはしてほしかったなぁ。
6.
列車強盗たちが日本使節団の立て籠もる車両に押し入ると、なぜかその車内だけ和風の内装で畳敷き。そこに使節団一行は鎮座しているのです。
7.
騎兵隊は列車強盗団に蹴散らされて以降さっぱり出てきませんが、どこに行っちゃったのか。まさか捜索打ち切りとか。いやいや、それはないでしょ。
8.
ブロンソンは、一体どうやって電信線のあんな高い所に宝剣をくくり付けたのでしょう。
…まだまだありますが、一応ここらで。
タイトルなし(ネタバレ)
日米修好通商条約が結ばれたころの米国西部。
日本国大使を乗せて首都に向かう列車が強盗に襲撃される。
乗客から金品を強奪し、郵便列車から多額の金貨を奪い、帰りがけの駄賃とばかりに日本国大使から大統領への献上品・金の宝刀まで奪う。
首魁はリンク(チャールズ・ブロンソン)。
だが、彼は相棒のゴーシュ(アラン・ドロン)に裏切られ、金貨も宝刀も持ち逃げされてしまう。
日本国大使から献上品の宝刀を取り戻す命を受けた随行の武士・黒田重兵衛(三船敏郎)は、ゴーシュの逃げ先を知っているというリンクとともに荒野の追跡行に赴く・・・
といった内容。
かつて度々テレビ放映されていたが未見なのは、「西部劇に侍? なんだかイカモノだなぁ」と子供心に思ったからだが、今回はじめて鑑賞しての感想は、「盛り沢山な内容はサービス精神の表れ」ということ。
70年代の娯楽作。
三大スターの顔合わせに、中盤以降は男勝りのウルスラ・アンドレスが花を添える(彼女がビリングの2番目。トップはブロンソン)。
前半はリンクと黒田の徒歩での追跡行が中心で、疑心暗鬼と文化価値の相違などで息抜きシーンとなっていて、近年のアクションつるべ打ちのエンタテインメント作を見慣れた観客には、少々まどろっこしく感じられるかもしれない。
ウルスラ・アンドレスが登場した後には、アメリカン・ネイティブのコマンチ族の襲撃なども展開し、これでもかこれでもかのサービス精神てんこ盛り。
三船敏郎が押し出しもよく最もスターらしい演技、ブロンソンはユーモアも兼ね備えての芸達者ぶり、ドロンは珍しく憎々しい悪役をそれぞれ演じ、三大スターのバランスも良い。
アンリ・アルカンの撮影、モーリス・ジャールの音楽も堂々としており、素晴らしい。
観ていてストレスのかからない娯楽作品でした。
70年代西部劇
三連休の中日に「映画でもみるか」とWebサイトを見ていたら目についたので見にいく事に。「何故今この映画なのか?アランドロン懐古か?」などと考えつつ鑑賞したが、正直、この役ではわざわざアランドロンである必要はなかったと思う。もちろん格好いいのだが、役が唯の悪役で、アランドロンが出てくるまでもない。せめて最後は三船敏郎やブロンソンと心を通じて潔く去っていくストーリーであったらアランドロンが演じる価値はあったかと思う。三船敏郎は、二人の大スター前に動じる事なくサムライを演じて日本人俳優の格好良さを見せてくれている。また三船敏郎が武士道を語るシーンが何箇所かあるが、そのうちのひとつに「これから日本も変わる。武士はなくなり、代わりに漁師や農民になる」とブロンソンに嘆くシーンがある。今の時代においてみると、道徳観や倫理観が薄れていくのを嘆いているように感じた。必ずしも西部劇で必要なセリフとは思わなかったが、これは真の日本のサムライを海外に伝えていくためのものであったのか?一方ブロンソンは、今見てもその男臭さが格好いい。自分が子供の頃に見た、男臭くて腕っぷしが強くてキザという、70年代の格好いい男の典型である。男臭くて格好いいという表現は適切でないのかもしれないが、それでも格好いいものは格好いい。映画のストーリーとしては、アクションシーン多くあり、ガンシーンあり、刀のシーンあり、荒野を颯爽と馬でかけるシーンあり、男の友情あり、難しい話なし、で素直に楽しめる映画だと思う。50年前の映画が映画館の大スクリーンで楽しめた事に大変感謝しています。
日本の誇り
日本初公開当時親・兄弟と札幌の映画館で観たのが懐かしい。
50年以上経ってからこうして再上映され嬉しい限り。しかも
4Kデジタルリマスター版だから画質は劣化していないし映画館の
音響設備が当時より進化しているのを考えると当時よりも高画質・
高音質で鑑賞できたかもしれない。
(ラストシーンがピンボケだったけどオリジナルがそうだったら仕方ない)
西部劇に侍を登場させるという、意外性のある発想。しかしそれは
大成功だった。架空の話だが物語には必然性があり、侍ならではの
見せ場もたくさんあった。
黒田重兵衛という人物がWikipediaにあるけれど生まれ年や経歴を見ると
レッド・サンの侍とは関係なさそうだ。
映画の黒田重兵衛は寡黙・強靭な肉体・武術・立ち居振る舞い・教養・
ユーモア、どれを取っても超一流の侍。おまけに男の性的魅力も
兼ね備える(据え膳食わぬは・・・も?)。これって、男がこうありたいと
憧れる男性像かな。ちょっと強引に例えるとジェームズ・ボンドに
近いかも。何たって監督が初期の007シリーズのテレンス・ヤングだし。
映画が日本人や日本文化、武士道に対して敬意をもって製作されている
ところが良かった。
製作には三船側から様々な助言や注文があったと聞く。そうでなければ
日本人から見て違和感ありありの作品になってしまったのではないか。
正統な日本を描くために相当な労力を要したとは思うが、その甲斐あって
侍の描写も何もかもが日本の時代劇を正しく再現したように感じられた。
流ちょうな英語を話しどんな相手にも毅然とした態度でいる。信念を持ち
それを貫く。仕事の能力も高い。外国映画でそんな日本人を見ると、
誇らしい気持ちになれる。
誇らしい日本人像は『ブラック・レイン』の高倉健に引き継がれ、今は
真田広之がその役割を担う。製作者でもあったテレビドラマ『SHOGUN 将軍』
がヒットし、数々の賞を受賞したのは快挙だ。やはり正統な時代劇を描く
ために尽力されたことだろう。
真田広之は現在64歳。まだ現役バリバリで活躍中だが誰が引き継ぐだろう?
興味がある。
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余談(映画に関係ないので興味がない方は飛ばしていただきたい)
当時3人の俳優の人気は絶大で、日本のテレビCMでもお馴染みだった。
商品名を盛り込んだ決め台詞もあった。チャールズ・ブロンソン「Hmm,
Mandom」三船敏郎「男は黙ってサッポロビール」(YouTubeで現存する映像を
見たら、本人は黙ったままで決め台詞は字幕だった)アラン・ドロン「D'urban
c'est l'elegance de l'homme moderne.」
さらに脱線してしまうが商品「マンダム」があまりに売れたため当時の会社名
「丹頂株式会社」を「株式会社マンダム」に変更した話、サッポロビールの
面接に来た学生が終始無言で面接官に帰れと言われた時「男は黙ってサッポロ
ビール」と言ったら採用が決まった話(都市伝説)、ダーバンがフランスの
ブランドだと勘違いしたおっさんがフランスへ旅行に行った時「ダーバン」を
売っている店を探した話(都市伝説)などは自分と同世代ならかなり多くの人が
聞いたことがあるのではないか。
3人ともカッコよすぎてゾクゾク
三船敏郎から真田広之さんにわたされたバトン
レッドサン
1971年公開のサムライが登場する西部劇
1995年の岡本喜八監督のイースト・ミーツ・ウエストと企画が良く似ています
というか岡本喜八監督のその作品のほうが本作を下敷きにしていると思います
チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロン、三船敏郎の世界三大スターが共演します
フランス・イタリア・スペイン・アメリカ共作の映画
日本は三船敏郎が出演するだけで出資や製作には関わっていません
それでも企画の最初の持ち込みは三船プロだそうです
ショーグンの50年以上前
オリジナルのショーグンよりも10年近い昔にショーグンの逆バージョンの映画が撮られていたのです
というか製作は全員欧米人ですからショーグンと同じです
なのに登場する日本人の侍もセットも衣装も小道具もなんちゃって日本ではないのです
恐らく三船敏郎がショーグンでの真田広之さんと同じ様な役割を果たされたのだとおもいます
恐らく衣装や小道具などなどは本人が日本から撮影現場に持ち込んだに違いありません
真田広之さんもそれを知っていたのでしょう
三船敏郎さんに負けないように恥じないようにやらなければという使命感があったのではないかと思います
三船敏郎から真田広之にわたされたバトンはしっかりと受け止められてハリウッドの地に半世紀の時を超えて花をさかせたのです
色々と有る突っ込みどころを指摘するのは野暮ってもん
普通に面白い映画です
日本に関係する部分を目を皿のようにして観て下さい
きっと真田広之さんもそうされたんだと思います
こんなことができるんだ
製作者でなくても出演俳優の立場でもあってもこれだけのことができるんだ
使命感があればやれる
三船敏郎さんはそれをやって見せてくれた
21世紀でも同じことを誰かがやらなければならないんだと本作から真田広之さんは感じとられたのだと思います
ショーグンが世界的大ヒットして様々な賞を総なめにしているいまこそ再評価されて観るべき映画と思います
蛇足
チャールズ・ブロンソンといえば
うーんマンダムのCM
あれは1970年のものなので本作の公開1年前のこと
大林宣彦監督が関わったそうです
男の背中
今週末、再鑑賞しようと思ってます。
リアリティの部分で色々言われる事はあると思う、この映画。
もうそんな事は気にせずに、アラン・ドロンの美貌、三船敏郎の剣技、チャールズ・ブロンソンの漢気を堪能しましょう。
ラスト、サムライ三船との男の約束を守る為、宝刀を電線かなんかにぶら下げて去っていくブロンソンの男の背中よ。
チョーカッコいいから。うーん、マンダム。
男泣きとはこの事。刮目して見よ!
夢の競演
テレビの洋画劇場を毎日のように観ていた世代にとって、アラン・ドロンとチャールズ・ブロンソンと三船敏郎が共演するなんてまさに夢のようなことだった。
スターたちが出ているだけで、ストーリーなんて別に大したことない。彼ら彼女らをスクリーンで観るだけで満足なんだという時代がありました。
まさに三人の競演を楽しむ映画。
(せめて音楽がモーリス・ジャールでなくてエンニオ・モリコーネだったらなぁ)
奇しくも真田「SHOGUN」ゴールデン・グローブ賞受賞の翌日に鑑賞。
真田広之とデンゼル・ワシントン、トム・クルーズあたりでリメイクしてほしい。
というか、真田さん自身が主演した岡本喜八作品「WEST MEETS EAST」を竹中直人抜きでリメイクしてほしい。
日本使節が刀を盗まれて、、、という同じ設定なのに、あれもこれもしたいとなったのかもったいない映画だったな。今作みたいにストーリーは単純でよいのに。
必見!ドロン、ブロンソン、三船敏郎、世界三大スター世紀の競演!田中浩も出てた!ガンマンと日本の侍、束の間の男の友情が泣かせるぜ
お正月らしい「レッド・サン」です!
アラン・ドロン、チャールズ・ブロンソン、三船敏郎、世界の三大スター世紀の競演!
中村哲は兎も角、田中浩も出てた!すごい!
でも、クレジット順では、初代ボンド・ガール、ウルスラ・アンドレスの次だった!なんてこった!
「007」のテレンス・ヤング監督、「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」のモーリス・ジャール(「クライシス2050」「落陽」もだけど…)が音楽、と一級品。
ドロンは非情な殺し屋風の悪党ガンマンで仲間を裏切る。
ブロンソンは復讐と強奪金ダッシュのため、三船は奪われた刀を取り戻すためにバディを組んで、ドロンを追う。
この道中で、バディムービーならではの、衝突、そしてほのかな友情が芽生える。
三船は一流の武士で英語も堪能、武術でブロンソンを投げ飛ばす。
ブロンソンはもっぱら受けにまわって、三船、ドロンを立ててます。
中でも、三船敏郎は、クライマックスで一気にさらってしまうイイ役でした。
ブロンソンも、力の抜け具合がいい感じで、ユーモラスで人情味のある演技を披露。
しかし、ドロンは今一つ。
表層的なイケメン裏切りガンマンで、良く引き受けたなあと個人的には思いました。
内容面では、1971年の外国映画で、正確な日本描写、日本語、武士の所作、武士道を描いていたのは凄い!
ちゃんと武士・日本をリスペクトしていて偉い。
この頃、1967年「007は二度死ぬ」はまだいい方ですが、1975年「ピンクパンサー2」カトーみたいな日本と中国をごっちゃにしていたような時代に、日本をきちんと描いてくれて素晴らしい。
ガンマンと日本の侍の束の間の男の友情が泣かせるぜ!
ブロンソンと三船氏二人のドロン追跡劇を軸とした互いの文化を超えた友情譚
三船敏郎氏、チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロン、そしてウルスラ・アンドレスが華を添える日米仏のスターが共演した西部劇『レッド・サン』(1971)の4Kデジタルマスター版が公開されたのでYEBISU GARDEN CINEMAさんへ。
『レッド・サン』(1971)
三船敏郎氏が社長を務めた三船プロが三船自身を主役の侍役にした企画をハリウッドメジャーに提案、快諾され生れた作品とのこと。
それだけ三船氏が“世界のミフネ”として国際的な知名度と影響力があった証左ですね。
共演のチャールズ・ブロンソンをはじめ、当時日本で人気あったアラン・ドロン、『007』初期3作品を手がけたテレンス・ヤング監督、音楽は『アラビアのロレンス』のモーリス・ジャールを三船プロ側の意向も交えながらキャスティング、選定したのは驚き。
ポスタービジュアルからは『さらば友よ』(1968)以来のブロンソン×ドロンの再共演、本作も男臭い二人の友情譚と想起されますが然にあらず、実際はドロン演じる冷酷非道な悪漢に裏切られたブロンソンと、ドロンに帝から大統領に贈呈する黄金の太刀を奪われた三船氏二人のドロン追跡劇を軸とした互いの文化を超えた友情譚。
企画からきちんと三船プロが参加しているので、いわゆる誤解された変な日本人の描かれ方は許容範囲内に押さえられているので、今観ても違和感なく、普遍性ある娯楽西部劇アクションに仕上がっていますね。
悪人だけど根は優しいブロンソン、終わりを迎える武士の世界に最後まで忠義を尽くす三船氏と二人の見どころは満載ですが、冷徹非道の悪漢ドロンは見せ場も少なく、悪役としても大物感が薄くゲス過ぎて少々もったいなかったですね。ただ二枚目俳優なのに、こういうゲスな悪役のオファーもきちんと受けるドロンには好感が持てますね。
初代ボンドガール、ウルスラ・アンドレスも単なるヒロインでなく男に翻弄される小悪魔の設定も良いですね。
演出面はさすが『007』の初期傑作を手がけたテレンス・ヤング監督、アクションシーンはスピード感とキレがあり、音楽も『アラビアのロレンス』を彷彿とさせる雄大な西部の平原にマッチした「これぞ西部劇!」という劇伴が実に贅沢でしたね。
なにも言うことはない
ブロンソンと三船の関係が面白い
GLAYと晴郎とアラン・ドロン
そういう時期に入ったと言ってしまえばそれまでですが、最近は個人的に親しみを感じていた各分野の著名人の訃報が多くて哀悼も追いつかない状態に少し気が滅入る思いです。
今回逝去されたアラン・ドロンの出演作なら他にもっと代表作に相応しい映画があるのでしょう。ただ、私にとっては本作こそがアラン・ドロンの代表作であり、忘れ得ぬ思い出の映画でもあるのです。今回はその思い出と共に書いていきたいと思います。
時は1999年7月31日、私は田舎から電車を乗り継ぎ千葉県は幕張にきていたのです。
海浜幕張駅を降りてみれば奇抜な髪型や服装の若者が大勢歩いており何やら異様な雰囲気です。(とはいえ私も彼らと年端はそう変わらないのですが)
後に知ったのですがその日は当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったロックバンド「GLAY」による伝説の“20万人ライブ”の日だったのです。もちろん私もGLAYの事は知っていましたが、当時はあまり興味がなかったのでそんな日本音楽界の語り草になるような歴史的日に、場所に、自分が居合わせていようとは思いもしませんでした。
ただ20万人もの同世代の若者がGLAYを見る為に幕張メッセへ集まっているというのに、その日 幕張でGLAYがライブをやる事さえ知らなかった私が何をしに来たのかと言えば、それは水野晴郎のトークイベント付き映画鑑賞会へ参加する為だったのです。
夏休も間近の教室の後ろ側、誰が何時貼ったとも知れない掲示物の中にこのイベントの告知はありました。観覧希望者はハガキで応募して抽選の結果を待てとの事だったので、ハガキを出して数日―。懸賞など1度も当たった事のない私の元に当選の通知が届いたのです。ただただ嬉しかった。同伴者可だったので当時の(今も)映画友達と喜び勇んで水野晴郎へ会いに行ったのです。別にサイン会や握手会があるわけじゃありません。上映前にトークイベントがあるだけです。言ってしまえば金曜ロードショーを生で見るだけなのですが、それでも当時の映画伝道師四天王の一角に生でお目見えできるのですから喜びもひとしおです。
(他の3人は淀川長治、高島忠夫、木村奈保子です。淀川さんは98年に亡くなっておりますがそれでも私にとってはこの4人なのです。)
ただ会場へ着いてみれば私が当選したのも納得です。直ぐ近くでGLAYが20万人も動員しているというのに、こちらはせいぜい20人がいいところなのです。普段なら空いている映画館ほど嬉しいものはないのですが、流石にこれは残念な気持ちになりました。やはり「シベリア超特急」(96年)のせいで求心力が落ちているのか?などと考えているうちに、舞台上に水野晴郎が現れいつもの調子で話し始めるのです。正直もうこの時に水野晴郎が何を語ったかはほとんど覚えていません。ただこれから上映する「レッド・サン」にはアラン・ドロンが出ている。彼は今日そこでイベントをやっているGLAYとはまた毛色の違う二枚目であるという様な事を語り、「会場にこの映画、ご覧になった事ある方いらっしゃいますか?」と問い掛けてきたのです。私は以前にビデオで見たことがあったので手をあげます。すると水野晴郎が私を見て「おぉ~お若いのに…。」と感心した風に呟いてくれたのです。たったこれだけの事なのですが、当時の私としてはそれが妙に誇らしかった。そして会場が淋しい入りであるにも拘らずテレビで見ているいつもの調子で楽しそうに映画について語る水野晴郎の様子が何より嬉しかったのです―。
とはいえ改めて観返してみるとこれをアラン・ドロンの代表作というにはやはり無理があったか?何よりこんなにアラン・ドロンの出演シーンって短かったっけ?と驚くほど出てこないではありませんか!
殆どの時間は三船敏郎とチャールズ・ブロンソンが脂汗で顔をテカらせながら、使命と野望とをそれぞれの胸に荒野を駆けていく映画なのです。しかしそんな男の世界を香り立たせる二人と対をなして現れるアラン・ドロンはどうでしょうか?いやはや登場シーンから既に見る者に衝撃を与えてくれます。やはり役者が違うのです!出演シーンの短さなどものともせずに他の二人と張り合う存在感なのです。
当時ドロンは30代半ば、整った顔に薄っすらシワが刻まれているのですが、それがまた綺麗なだけでなく人生の裏表をソレなりに心得た厚みのある色気を漂わせます。唇の端についた傷、ニカりと不敵な笑みを浮かべれば覗く金歯、それだけでドロンの演じる役が冷酷非道な男であることを印象付けられるのです。
皆が荒野の砂煙をかぶり衣装が白茶けているのに、一人だけ白と黒を基調とした衣装をパリッと着こなし、白いシャツにはシミ一つありません。帽子のツバの奥にあのターコイズのような瞳を携えて荒野の無法者どもを取り仕切っているのです。ただ立っているだけで自然と視線が彼に引き寄せられてしまいます。それでいて作品の世界観からまったく浮いておりません。
この映画は三船敏郎、チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロンが身にまとう三者三様の魅力と世界観。それらが均衡を保って実に見事な三角形を形成しています。
役者はそれを嫌がるでしょうが、ある程度キャリアを積んだ役者は立っているだけで観客がそこに物語を勝手に見出してしまうものです。だからこそキャスティングは重要であり、この映画はそんな役者の積み上げたキャリアとキャスティングとがどれ程作品に影響するのかを確認できます。
思えば三船敏郎は1997年にチャールズ・ブロンソンは2003年に逝ってしまいました。水野晴郎は2008年にです。あの1999年の夏からもう四半世紀も経ったのが信じられない思いですが、私があの夏の日にこの映画を見た時にはこの映画の公開から既に28年の時が経っていたのです。そして今回アラン・ドロンの訃報に触れて本作を見返しましたが、この映画は今もなお私にとって魅力的で楽しい記憶と共にある作品なのです。
映画というものはフィルムが回りだせば、たちまちその作品が生まれた当時の時代と、それを観た時の記憶とを甦らせてくれます。時間は不可逆ではありますが思いを馳せることはできます。私はこれからも折に触れ、本作を通して1971年の三船敏郎に、チャールズ・ブロンソンに、アラン・ドロンに思いを馳せ、1999年の水野晴郎に思いを馳せるのだと思います。そしてこれからそこに新たな記憶が加わるのであれば、それはこれまでと同様、楽しいものであって欲しいと願うのです。2024年8月24日 故人を偲んで。
侍が海を渡り異国で自分のやり方を通す心構え
総合:70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
世界の三船出演のハリウッド映画としては『グラン・プリ』『太平洋の地獄』に続く第3作目の作品であり、アメリカを舞台にした作品としては初の作品。その意味で三船が本当にアメリカに進出した最初の作品と言える。しかも侍役である。
ポール・ニューマン、スティーブ・マックイーンのような当時のハリウッドで最高に人気だった俳優たちと共演したわけではないものの、チャールズ・ブロンソンとハリウッド俳優ではないけど欧州では一流俳優のアラン・ドロンとの共演は上々の成果だ。早川雪洲という偉大な先達もいたが、その後に続く日本人俳優がなかなかハリウッドに進出することが出来ないなかで、遂に三船が後継者となった。
それでこの作品であるが、西部でちょんまげが銃をもった強盗団と対峙しているのは違和感があるが、三船が出演しているだけあって欧米人からみた日本人を押し付けた茶化した内容になっていないところが立派である。今でこそ侍は世界的に有名になり尊敬の対象にもなってきているが、当時の世界は日本に対する理解もなく、まして侍なんて服装も含めてわけのわからない存在だったろう。
その中でも三船は俳優として立派に侍を貫き通したし、その姿はちょんまげの侍が太平洋を渡り勝手のわからぬ異国で自らの矜持を貫く姿とも重なる。自分も昔ろくに英語も出来ず宿泊先もあるのかわからないのにアメリカに自分1人行くときは多少不安だったが、それがこの当時ならば強い精神力がいる。外国の映画会社の好き勝手に流されることがないその三船の心構えは賞賛出来る。その後のハリウッド映画にも、欧米人が考える日本人像を変な演じるようにしたものがいくらでもあるが、三船は違った。
悪人だが有能で行動力と男気があって、徐々にそんな三船の侍魂に共感するチャールズ・ブロンソンは魅力的だ。美男子ながら平気で仲間を裏切り次々に人を殺していくアラン・ドロンもその残虐さゆえの存在感があった。
演出・脚本もこの当時なりのものではあるが、それなりに健闘しているの思う。
世界の三船
職場の方が面白いよと言って貸してくれた、若かり頃の三船敏郎、アラン・ドロン、チャールズ・ブロンソンが出演している1971年の映画「レッド・サン」を鑑賞しました。
物語の内容としては、日米修好のための任務を帯びた日本の武士一行は、大統領に会うため特別列車に乗り向かっていた。その列車が、強盗団に襲われ大統領に贈るための宝剣を奪われてしまう。
その宝剣を取り返す使命を言い渡された黒田重兵衛(三船敏郎)は、強盗団の仲間に裏切られたリック(チャールズ・ブロンソン)と共に、宝刀を持ち去った強盗団のボスであるゴーシュ(アラン・ドロン)への復讐を果たすため二人で荒野を行くという物語。
ゴーシュの下へ向っている重兵衛とリックが、徐々に友情を育んでいく姿がとても良かった。またアクションシーンも、思ってた以上に良い感じで仕上がっていました。
ラストでは、まさか黒田重兵衛が亡くなるとは思ってもみませんでしたが、宝剣を黒田がリックに託すシーンは、男同士の熱い友情を感じ胸にジーンときました。
三大スター揃い踏み!
Blu-ray(デジタル・リマスター版)で久しぶりの鑑賞(吹替)。
三大スターが豪華共演を果たした奇跡の作品。正直名作とは言い難いが、この面子がひとつの画面に収まっているだけで興奮したし、映画遺産的な価値が充分にあると思った。
海外の大スターと対等、もしくはそれ以上の存在感を放っていた三船敏郎は紛れも無く日本を代表するスターである。
チャールズ・ブロンソンと友情を育んでいく過程がとても面白かったし、クライマックスのアクションも絶品だった。
まさか死ぬとは思わなかったが、ようやく奪還した刀をブロンソンに託すところに男同士の絆を感じ、うるっと来た。
※修正(2025/01/12)
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