「設定は面白いのに、ストーリーの酷さに唖然とした」ルームメイト(1992) 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
設定は面白いのに、ストーリーの酷さに唖然とした
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ルームメイトが次第に狂気をあらわにするという、サイコスリラーの設定に興味を持ち鑑賞。最初は普通の女の子だったヘドラが、徐々に狂気をあらわにし、アリソンに成り代わろうとする不気味さを期待した。だが、ストーリーは全く期待したものではない酷さだった。
まず、アリソンが彼氏と別れてからよりを戻す流れがあっさりし過ぎていて全く感情移入できない。ルームメイトのヘドラとの確執を生じさせるために無理やり入れた設定にしか思えない。
ヘドラの持つ狂気には双子の姉妹の死が関係しているような描写があった。だが、これも取ってつけたような設定で、現在の彼女が狂気を持つに至る説明としては浅い。
他にも全体的に突っ込みどころが多過ぎる。なぜヘドラの殺人や殺人未遂がすぐに犯人特定に至らないのか(警察は何をしているのか)、彼女は銃をどこで手にいれたのか、アリソンの彼氏の出張先の部屋をなぜ知っていてなぜ入れるのか、なぜアパートの通気孔から声が漏れることを今までアリソンは知らなかったのか、なぜラストは何事もなかったかのように終わるのか等々、疑問点のオンパレードだ。そもそもヘドラは一体何をしたいんだろうか。あと、ヘドラは犯行の詰めがいちいち甘過ぎる。
あまりのストーリーの酷さに出演者がかわいそうになってくる映画だ。
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