劇場公開日 1962年8月7日

「白いエプロンでの決闘」リバティ・バランスを射った男 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0白いエプロンでの決闘

2022年8月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1962年。ジョン・フォード監督。押しも押されもせぬ大物政治家が西部の小さな町に帰ってくる。ある男の葬儀のためにお忍びできたという政治家に対して、新聞記者が無名のその男との関わりを聞き出すが、、、という話。回想の形で語られる西部開拓時代の法と暴力と民主主義の始まりの物語。そこに恋がからんでいく。
なんといってもエプロン姿のジェームズ・スチュワート。決闘までエプロンのまま。西部の野蛮で暴力的な男らしさとは対極の、理想を求める法と正義の人という表現なのだが、それが女性性をまとっているのが特徴。この表現がすばらしい。この作品によって「映画における白いエプロンの意味」があからさまになったといっても過言ではない。と多くの評者がいっている。
もちろん、回想だから結果が見えていて、わくわくどきどきということにはならないが、モノを投げたり置いたり手放したりすることを契機に画面と物語が転調していて、そのリズムはとても心地よい。蓮實大先生が指摘しているように。教科書らしき本を乱暴に机に置くヴェラ・マイルズとその後の展開を見よ。

文字読み