劇場公開日 1962年8月7日

「東部男と西部男の伊達比べ そして、哀しさ」リバティ・バランスを射った男 やじろー どんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0東部男と西部男の伊達比べ そして、哀しさ

2021年10月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

西部劇なんだけど、派手な銃撃シーンで魅せるアクション映画ではなく、セリフ劇です。

ジョン・スチュワートが演じる東部の男。法律家で学があり礼儀正しい男。
そして、ジョン・ウェイン。西部男! 口は達者で荒っぽいが優しい。
この二人のコントラストが凄い。法と秩序の東部男。銃が必要だと西部男。どっちも正しい。その価値観のぶつかり合い!
でも、二人が対決するのではない。悪役がいる。リー・マーヴィン! 彼の演技が見事。ジョン・ウェイン相手に見事な悪役っぷり。ボス感が見事!
そんな男たちの伊達比べが見どころです。
それで、伊達っぷりが頭一つ出ていたジョン・ウェインが終盤になると哀愁を帯びてくる。切ないです。
そして、最後の締めくくりのセリフがいい。あれが全て。伝説を作った男と背負わされた男。二人とも大きなものの為に殉じたんですね。その哀しさ。

ちなみに、映画は細部に渡って芝居ががっています。酒場の外へ突き飛ばされた酔っ払いの千鳥足まで名人芸! 脇役までも芸達者が揃ってます。
そんなところも見どころ。

やじろー どん