劇場公開日 1951年12月27日

「心和むエンディング」リオ・グランデの砦 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5心和むエンディング

2011年9月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

幸せ

騎兵隊が砦に帰還する場面から始まるが、馬を急に休めるのではなく30分歩かせてから水を与えるという指示に「なるほど」と感心して納得。隊員の労をねぎらい酒保を夜中まで開けるという気遣いなど、ヨーク大佐(ジョン・ウェイン)の指揮官としての人柄が出る。
描写も「黄色いリボン」の流れを汲んだ叙事詩的なところがあるが、ジョン・ウェインが演じるカービー・ヨークは「アパッチ砦」の主人公と同じで、「アパッチ砦」の続編と見なすことができる。階級は大尉から大佐に昇級している。
なお、名コンビとなったヴィクター・マクラグレンが演じるのは「黄色いリボン」と同じクインキャノンだ。こちらも軍曹から曹長になったようだ。

このクインキャノン、ヨーク大佐とは切っても切れない主従関係だが、今回はヨークの妻キャサリンとの過去に確執がある設定で、ふたりの閒のモヤモヤ感が笑いを誘う。陰険にならないところにキャサリンの人柄が出ている。

タイリー(ベン・ジョンソン)とサンデー(ハリー・ケリー・ジュニア)が、スタントなしで2頭の馬に跨るハイレベルな乗馬術・ローマ式立ち乗りをするシーンは見応えがある。昔は凄い俳優がいたものだと感心する。

このローマ式立ち乗りに挑戦する息子にカラダを硬くし、仲間と殴り合って治療を受ける姿を見ては微笑むヨークの親心がよく出ている。
冒頭、険しい顔で登場したキャサリン(モーリン・オハラ)の表情もラストでは和らぐ。夫婦は円満が何よりだ。ヴィクター・ヤングの“Dixie (End Title)”に乗せて日傘を回すキャサリンの姿が楽しそうで微笑ましい。

さて今作では、クインキャノンのトボけたお笑いのほかにも、賑やかなお嬢ちゃんマーガレットの無邪気さにも笑える。
さらにヨークの息子ジェフの盟友となるタイリーは、乗馬術に長けているだけではなく、馬を見る目があるというのがポイントで、笑えるだけでなくラストのオチに繋がる。

マスター@だんだん