劇場公開日 2024年10月25日

「エモーションが感じられないアフガン戦記」ランボー3 怒りのアフガン シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0エモーションが感じられないアフガン戦記

2024年10月27日
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スタローンの言わずと知れた人気シリーズの第三弾で、製作費も筋肉も目一杯投入しているけど、今ひとつ盛り上がりませんでした。前作で遺恨のあったベトナムで大暴れした後、タイに流れ着いたランボーが、今度はソ連が侵攻中のアフガンに出張するお話しです。開巻、タイの地下格闘技の試合のシーンは、昂る戦士の魂を感じさせる迫力で、出足は好調です。ところが、アフガンでソ連軍の捕虜になった昔の上官をランボーが助けに行く展開で、戦う目的と言うか大義が前二作より弱いです。そのため、ランボーのキャラが生かされず、ただの救出作戦ものになってしまったのが残念。アフガン入国もあっさりで、交戦中の敵地とは思えないゆるやかさで、あんまり緊張感がないです。その後は、お定まりの敵基地への夜間侵入、奪還、逃走、追撃戦では攻撃ヘリや戦車まで繰り出してのド派手なドンパチが繰り広げられますが、ここまで来るとかえって現実味がなくなってしまうのが痛し痒し。監督のピーター・マクドナルドは手堅くまとめているけど、ランボーと言うエモーショナルなキャラクターを活かしきれてないです。途中で降板したラッセル・マルケイだったら、面白くなったかも。役者では、スタローンが肉体を鍛え上げて、惜しみないアクションを演じていて、80年代を代表するアクションスターのオーラが感じられました。

シネマディクト