ラ・スクムーンのレビュー・感想・評価
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裏社会映画
まさにフィルムノワールの話題作、ヌーベルバーグの立役者ジャン・ポール・ベルモンド主演、イタリアのセクシー女優No.1のクラウディア・カルディナーレ共演と華やかでおフランスらしい街頭の手回しオルガンの響きのテーマ曲、フランソワ・ド・ルーベの音楽も味があり時代を象徴する映画ではありますが好みかというと微妙。
原作・脚本・監督のジョゼ・ジョヴァンニはコルシカ島出身で元ギャングで死刑囚だったというから驚き、どうしてそんな輩がフランスを代表する小説家、映画製作者になれたのか、本作も彼が刑務所に入っていた時に知り合った裏社会の一匹狼がモデルだそうだ、やっぱり裏社会に精通したリアリティ描写、ノワールさが受けたのだろう・・。
La scoumouneとはコルシカ島の隠語で「死神」や「疫病神」らしいがまさに冒頭から終幕迄やたら撃たれて人が死ぬシーンが多過ぎて観るに堪えない裏社会映画でした。
ベルモンド・トマトケチャップ
原作・監督のジョゼ・ジョヴァンニ自身が正真正銘のならず者だったので、勝手知ったる世界を描いていることになる。この作品も刑務所で知り合ったモデルとなる人物がいたらしい。
フィルム・ノワールは好きなジャンルだが、ジャン=ピエール・メルヴィルのような品格がなく、大味だ。ギャングとの攻防もちぐはぐで、さして見せ場がないし、盛り上がりに欠ける。途中からは刑務所ものになってしまい、さらには「ヒトラーの忘れもの」みたいな展開になる。血の色の赤が不自然なのも気になった。
クラウディア・カルディナーレは「大盗賊」の時の方が美しかった。
一旦、悪の道に入ったら抜けられないという虚しい世界
ボスに騙されて、無実の罪で懲役20年を食らったグザビエ。なにしろ、裁判の直前に証人である娼婦が殺されたのだ。自白すれば刑が軽くなるなどと甘い言葉にも誘われた。
長身の黒人2人組を殺して自ら捕まるロベルト。刑務所内であれこれ脱出の計画を立てるが、そのうちドイツ軍との交戦状態になったパリ。希望の光だったオルガン弾きも殺されてしまい、志願して恩赦という道も絶たれたが、地雷撤去作業に志願した二人。グザビエは左腕を失ったが、無事生きて出所する。復讐相手に無理矢理証書を書かせて土地と店を手にいれ、新天地で足を洗おうとするロベルトだったが、またしても抗争。グザビエは殺されてしまい、希望もなくしてしまった。
一旦、悪の道に入ったら抜けられない。虚しい世界だ・・・
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